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八条学園騒動記

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第五百五十四話 美髪の秘密その八

「貴女さっき私の歯が宝石みたいって言ってくれたけれど」
「お世辞じゃなくて」
「あっ、そういうのじゃなくて」
「といいますと」
「宝石の歯の神様いたじゃない」
「あっ、マヤの神様でしたね」
「ウグブ=カキシュだったわね」
 カトリはこの神の名前を出した、この時代ではこの神は邪神ではなく荒ぶる神であるが土地を築く大地の神とされている。
「確か」
「巨人の神様でしたね」
「黄金の身体なのよね」
「そして歯もですね」
「宝石で」
 カトリはさらに話した。
「エメラルドだったわね」
「それ凄いですよね」
「その神様思い出したわ、エメラルドの歯なら」
 どうかとだ、カトリは話した。
「いいわね」
「そうですね、硬いですし」
 ティンはこのことにも言及した、エメラルドは硬度七であり硬度十のエメラルド程ではないがそれでもかなりのものである。
「何かの漫画で武器にもなってますし」
「超人のプロレス漫画ね」
 カトリもその漫画のことは知っていた、日本発の古典的名作漫画の一つでこの時代でも描いている人がいる。
「あの漫画であったわね」
「はい、エメラルドの剣が出て」
「それでなのね」
「敵のボスキャラが主人公を攻撃して」
「そうだったわね」
 カトリもその時の話は知っていて応えた。
「主人公は仲間からサファイアの鎧貰って防いだわね」
「そうでしたね」
「あの展開も凄かったわね」
「あの漫画はどの展開も凄いですが」
 この時代でも展開は突拍子もないシリーズなのだ。
「あの時も」
「そうそう、本当にね」
「それでエメラルドですが」
「そこで使われる位に硬いのよね」
「そうですね」
「その歯なら」
 カトリは微笑んでこうも話した。
「奇麗なだけじゃなくて」
「硬くて」
「滅多なことじゃ欠けないわね」
「そこもいいですね」
「虫歯にもなりにくいわね」
「普通の歯よりも」 
 流石にならないとは考えていない、カトリにしても。
「そうでしょうし」
「確かにいいですね」
「よく主神に怒られたり」
 カトリはそのウグブ=カキシュのこの時代の神話のエピソードについて話した、荒ぶる神なので無茶もして怒られるのだ。
「失敗したりね」
「そうしたことも多いですね」
「そうした神様だけれど」
 それでもというのだ。
「面白いわよね」
「愛されている神様ですね」
「最初は邪神だったけれど」
 その時の逸話も伝えられているのだ。
「随分変わったわね」
「あの神様もそうですね」
「何か連合の神様ってそうよね」
「昔のお話は滅茶苦茶乱暴なんですよね」
「それがね」
 そうした神々であってもなのだ、連合では。
「穏やかになるのよね」
「そうですよね」
「まあ連合って戦はないから」
 このせいだとだ、カトリは話した。
「平和になるのよ」
「神様の性格も」
「極悪非道な神様もね」
 所謂邪神であってもというのだ。 
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