夢幻水滸伝
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第百二十六話 ドラゴンと陣その七
テレサは戦線を離脱した、見れば戦線を離脱した星の者は他にもいた。カイは苦笑いを浮かべてそのうえでテレサに声をかけた。
「貴方もですね」
「負けた、だからな」
それでとだ、テレサはカイに答えた。
「ここに来た」
「そうですね」
「一騎打ちに見事にな」
「私もです、有島君は強かったです」
彼と一騎打ちを行って敗れたというのだ。
「残念ですが」
「あいつと闘ってか」
「はい、接近戦に持ち込まれて」
そうしてというのだ。
「遅来矢の一撃を受けて」
「それでか」
「離脱となりました」
「そういうことか」
「無念ですが」
「それを言ってもだな」
「今は仕方ありませんね」
こうテレサに言うのだった。
「僕達が敗れたのは事実」
「それならな」
「ここで戦局を見守りましょう」
「それしかないな」
リサールも来た、態度は悪びれていないが表情は実に苦々し気だ。その顔で場に来て言うのだった。
「宮沢には一本取られたな」
「一本ですか」
「見事にな、一瞬油断した時に」
その時にというのだ。
「術を受けてな」
「そうしてか」
「離脱したんだよ」
二人の様にというのだ。
「恰好悪くな」
「自分で言うか」
「負けたからな、分のいい戦と思ったらな」
それがというのだ。
「この通りだよ」
「負けたか」
「やれやれだ、それで今はな」
「負けたからだな」
「今は大人しくな」
「ここにいるか」
「ああ、戦は勝って欲しいな」
南洋、自分達の勢力がというのだ。
「それはな」
「今はだな」
「ここで結果を聞くだけだよ」
「ではここで静かにしておくか」
「おいらの性分に合わないがな」
それでもと言ってだ、そうしてだった。
南洋の一騎打ちに敗れた星の者達は後方に下がってそこで手当を受けつつ戦の成り行きを見守った。その戦局はというと。
南洋軍は台風の直撃を受けてから中里が率いる日本軍の軍勢の攻勢に一方的にやられ星の者達もだった。
一人また一人と倒されていっていた、瑠璃子は術でバイテを退けてから小躍りしてそのうえで言った。
「よっしゃ、うち勝ったで」
「私もやで」
その瑠璃子に由香が続いた。
「今ハウオフォ君に勝ったわ、虎徹の居合斬りで」
「話脚も何とか」
紗枝も言ってきた。
「召喚の術でパットン召喚して居間アユちゃん倒したわ」
「うちも終わったわ」
最後は雅美だった。
「今グレイカス君との空中戦制したわ」
「四人共勝ったな」
瑠璃子は仲間達の言葉に笑顔で言った。
「よかったよかった」
「ほんまやな」
「一騎打ちは激しかったけど」
「勝ったわ」
「ほなや」
一騎打ちに勝った、だからだと言うのだった。
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