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夢幻水滸伝

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第百二十六話 ドラゴンと陣その二

 日本が繰り出した二十の星達は南洋の二十の星達と共に戦っていた、それは神星の者達もまた同じだった。
 綾乃は八岐大蛇の背に乗り宙にいてだった。
 巨大なプラチナドラゴンに乗り自分と対するシェリルを見ていた、二人は術でも激しい応酬を繰り広げていたが。
 その中でだ、綾乃はこんなことを言った。
「シェリルちゃん自身も相当強いけど」
「周りのドラゴンもな」
「相当強いな」
「周りに何十匹もおる」
「ドラゴンや龍と呼ばれる種類は全部おるしな」
 見れば一匹ずついてシェリルの周りを飛び彼女を守ると共に綾乃そして大蛇に対してそれぞれの術やブレスで攻撃してきている。
 ブラックドラゴンの強酸のブレスが来た、大蛇は首の一つから強酸のブレスを出してそれでブラックドラゴンのブレスを相殺した。
 そのブレスはそうして防いだ、だが。
 大蛇はその八つの頭で綾乃に言った。
「こっちは八つの頭、相手は何十」
「数のうえでは辛い」
「強さはわしの方が上やが」
「この数は辛いで」
「そやね、ここはどうして攻めるか」
 綾乃は大蛇に応えつつ言った。
「考えどころやね」
「勝たせはしないわ」
 シェリルも言ってきた。
「何があろうとも」
「やっぱりそうなるね」
「お互い様よ、神星同士の一騎打ちは」
「棟梁同士やからね」
「他の一騎打ちよりも重要よ」
「それ自体が勢力同士の勝負やし」
「私も負ける訳にはいかないわ」
 身体に静かだが強く燃えるオーラを帯びさせて述べた。
「何があろうとも」
「それはうちもやで、そやから」
 綾乃も全身に強く燃えるオーラを帯びさせた、そのうえでの言葉だった。
「ここはな」
「勝つというのね」
「そうさせてもらうで」
「お互い同じね、では私も」
 シェリルはここで自分の周りにいるドラゴン達に命じた。
「レッド、ブルー、イエロー、ブラック、ホワイト、イエローは右よ」
「わかりました」
「それでは」
 それぞれのドラゴン達がシェリルの言葉に頷いてそちらに動いた。
 そしてシェリルはさらに言った。
「ゴールド、シルバー、ブロンズ、ブラス、カッパーは左」
「ではそちらに」
「行かせて頂きます」
 またそれぞれのドラゴンが応え動く、シェリルはさらに言った。
「黒龍、白龍、青龍、黄龍、赤龍は私の上に行って」
「我々はそちらですね」
「そちらですね」
「ええ、他の龍は私の周りにいて援護よ」
 こう命じるのだった、そしてだった。
 シェリルはドラゴン達の布陣を終えて彼等に攻撃をさせ自身も術を放つ、大蛇はその攻撃を迎え撃ちつつ綾乃に話した。
「正直今までで一番辛いな」
「そうした闘いや」
「ここまでドラゴンの数が多くてな」
「しかもシェリルちゃん自身相当強い」
「これは骨が折れるわ」
「実際に今押されてるしな」
「そやね、やっぱり強いわ」
 シェリルもこう言うことだった。
「シェリルちゃん流石やわ」
「私もその言葉を言わせてもらうわ」
 当のシェリルも言ってきた。
「私に率いているドラゴンを全て出させてしかもここまで耐えているのは貴女だけよ」
「そうなんやね」
「ええ、ほんまに凄いわ」
 こう綾乃に言うのだった。 
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