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夢幻水滸伝

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第百二十五話 嵐の中の戦いその十三

「食べないとですよ」
「死ぬさかいな」
「簡単に飢え死にします」
「そうなるな」
「少なくとも力は出ないです」
 そうなるというのだ。
「だからですよ」
「もう飯は用意してあるか」
「カレーライスです」
 メニューはこれだというのだ。
「だから戦が終わったら」
「勝利のカレーか」
「それを楽しみましょう」
「ええな、カレーはやっぱりな」
「こうした時は、ですよね」
「すぐに食べられて美味くてな」
「栄養もありますから」
「そやからな」
 何といってもというのだ。
「カレーはええ、戦の後ですぐにたらふく食える」
「そう思ってなんですよ」
「カレーにしたんやな」
「はい、じゃあ戦の後は」
「カレーやな」
「それを食べましょう」
「ほんまに今は握り飯やパンも食えん」
 激しい戦の中だ、手に取って軽く食べる様なものでも口にすることは難しい状況だということは明らかだった。 
 今采配を執っている者としてだ、中里はこのことを誰よりもわかっていてそれで今もこう言うのである。
「そやから余計にな」
「今は、ですね」
「もうな」 
 それこそというのだ。
「飯の時までにはな」
「戦を終わらせますね」
「そうするわ」
 絶対にと言うのだった。
「ええな」
「わかりました」
 麻友も頷く、そうして超能力系の高位の術である破壊の術を放った。それで多くの敵兵を倒した。それからまた術を放った。
 戦は続く、だが戦局は完全に日本のものになって中里は言うのだった。
「まずこの戦や」
「この戦に勝ち」
「そしてな」
 そのうえでというのだ、中里は雅に答えた。
「次の戦にもな」
「向かいますね」
「そうするわ、そして最後の最後までな」
「勝ってですね」
「覇権握るで」
 こう言ってだ、中里は六十万の軍勢を手足の様に自在に動かし戦っていた。そのうえで戦局を進めていっていた。


第百二十五話   完


                   2019・8・8 
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