夢幻水滸伝
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第百二十五話 嵐の中の戦いその十二
「力が抜けてくる」
「そのこともあり」
「飯時までにはな」
絶対にというのだった。
「終わらせるで」
「そうしますか」
「幸い戦の少し前に食ってるし」
「麦飯の握り飯とお味噌汁を」
「お漬物もな」
こうしたものを食べたからだというのだ。
「そうしたさかいな」
「戦えますね」
「正直こうした激しい戦の中やとな」
「どうしてもですね」
「飯を食うにもな」
「難しいものがありますね」
「そやからな」
それ故にというのだ。
「今はな」
「食事の時間までにはですね」
「終わらせるで」
「それでは」
「そういえばですね」
麻友も戦場にいる、流石に神具の一つの料理道具は例えそれが武器になるものでも戦場には出していない。術で戦っている。
「戦の時は飯は」
「どないしてもな」
「問題になりますね」
「下手な時に食うたら」
それこそとだ、中里は戦いつつ麻友に話した。
「その時点でな」
「攻められますね」
「それで負けるしな」
「戦いながら食べるにしても」
「槍を前に出しつつ食えるか」
中里は具体的な例を話に出した。
「それはな」
「難しいですね」
「それもかなりな」
「だからですよね」
「飯の時間までにはな」
「終わらせますね」
「そや、それで終わったらな」
その時はというのだ。
「食うで」
「そうしますね」
「向こうもそれは一緒や」
南洋側もというのだ。
「あっちも食える状況やない」
「これだけ激しい戦ですと」
「到底な、それでや」
「お互いにですね」
「飯の時までにな」
「終わらせないといけないですね」
「そや、是非な」
ここはというのだ。
「勝って終わらせてな」
「飯ですね、そっちはもう用意してますよ」
麻友は中里に笑って話した。
「安心して下さい」
「流石やな、用意がええな」
「そりゃ人間あれじゃないですか」
麻友は中里に威勢のいい声で応えた、だが中里と話していてもその目は一騎打ちを繰り広げている幸田に向けている。
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