夢幻水滸伝
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第百二十五話 嵐の中の戦いその十一
「ご主人は戦向きかというと」
「違うよな、おいら」
「はい、本当に」
「だからな」
「戦もですね」
「これが初陣でな」
「不安もおありでしたね」
主に対して問うた。
「左様でしたね」
「充分に戦えるかな」
「ですが」
「おいらの采配はともかくな」
実は結構出来ていた、この辺り海を知っていて星の者であるだけにだ。船を動かすことも漁師として経験があるからだ。
「いけてるな」
「やはりこれは」
「台風で敵軍を徹底的に痛めつけて」
「そうして弱めて」
見れば敵の軍艦もかなり傷付いている、軍艦も台風の威力ではダメージを受けることを避けられないのだ。
「星の人達もですね」
「全員封じたからな」
「それで、ですね」
「充分にな」
まさにというのだ。
「戦えているんだな」
「それも一方的に有利に」
「そういうことだな、南洋の海軍と空軍も」
「技術的には我々より落ちますが」
艦艇にそれが出ていた、一世代位前の感じだ。
「ですが」
「数も多いしな」
「そして兵の練度もです」
「悪くないな」
「そう思いますと」
まさにとだ、亀は主に話した。
「ここまで有利に戦える状況は」
「台風で痛めつけてな」
「星の人を封じた」
「そうしたことが」
「今の状況に至っていますね」
「そうだな、じゃあこのままな」
意を決した顔でだ、尾崎は言った。
「攻めていくか」
「そうしましょう」
こうした話をしつつ尾崎も戦っていた、戦は続いていた。
日本軍は攻勢を続け戦局を彼等のものにしていた、そこで中里は戦局を見つつ全軍に強い声で命じた。
「あと一歩や、一気にや」
「全面攻撃ですか」
「それに移る」
中原に対して答えた。
「ええな」
「では砲撃と」
中原はかつて自分が率いていた砲兵隊のことから述べた。
「そのうえで」
「術も使ってや、勿論鉄砲もでな」
「槍や刀もですね」
「使ってな」
そのうえでというのだ。
「もう戦局を決定させるで」
「そうしますね」
「そしてな」
そのうえでというのだ。
「決定的な勝利を手にするで」
「わかりました、ほな」
「飯の時間までにはな」
中里は時間の話もした。
「決めるで」
「そうしますか」
「ここで飯を食うことになれば」
どうなるかとだ、中里は今度は食事の話もした。
「そこで動きが止まる」
「そやからですね」
「避ける、それに飯時になると」
中里はさらに話した、攻めは彼等の命通り激しさを増しているが彼はその中で難しい顔になり話した。
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