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夢幻水滸伝

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第百二十五話 嵐の中の戦いその十

「動きは普通だ」
「普通やな」
「そちらと同じだな」
「動きとしては及第点で」
 海軍、そして空船達からなる空軍のそれはとだ。中里は吉川の言いたいことを察してそのうえで述べた。
「悪くはないが」
「やはりな」
「星のモンがおる時と比べるとな」
「かなり落ちるな」
「ああ、それで自分もやな」
「かなり有利だ」
 見れば上空での戦いも日本側がかなり有利に戦っている、そちらも開戦前に台風で打ち据えていたのでそれもかなり効いている。
「このまま勝てる」
「ほな頼むで」
「数は少ないが」
 海軍も空軍もだ、このことは。
「しかしだ」
「その数の劣勢をやな」
「充分過ぎる程覆せる」
 そうした状況だというのだ。
「何かあればまた指示を貰うが」
「ああ、基本軍勢のそれぞれの部隊はな」
「指揮官に任せてくれるか」
「そうさせてもらう、この戦では」
 今行っている南洋軍とのそれはというのだ。
「そういうことでな」
「やらせてもらう」
「頼むで」
「ではな」
 吉川はここまで言って貝殻を切った、そうして海軍と空軍を戦わせていたがそちらも日本が一方的に攻めている状況になっていた。
 尾崎はその状況は自分の乗艦である海軍の戦艦である扶桑の艦橋から言った。
「まさかここまで有利になるとは」
「思いませんでしたか」
「尾崎さんも」
「ああ、全くだよ」
 環境にいる士官達に答えた。
「台風と星の人を封じたことで」
「ここまで有利に戦えますね」
「その二つのことで」
「我々海軍も」
「そして空軍も」
「これが戦か、おいら戦は」
 尾崎は自分のことについても話した。
「経験がなかったけれどな」
「そういえば尾崎さんは」 
 サイクロプスの士官が言ってきた。
「水軍、今は海軍と呼んでいますが」
「基本漁師でな」
「水産のことで、ですね」
「政が主だからな」
「そうでしたね」
「水産大臣にしてもらえるらしいが、今度」
 日本が覇権を握った時の統一政府の閣僚にとだ、太宰に言われているのだ。
「こっちの世界でのおいらはな」
「あくまで、ですね」
「政担当ですね」
「水産の」
「だからな」
 そうした立場だからだというのだ、士官達に答えた。
「戦はな」
「確かに。日本に入られるまでは」
「ずっと漁師でしたし」
「神具もですね」
「そうですよね」
 その神具である浦島の亀も出て来た、尾崎の顔の傍に出て来て宙に浮かんで言ってきている。この海亀は空も飛べるのだ。 
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