夢幻水滸伝

「兵も動かすことが出来るとよ」
「そやからやな」
「星のモンが一人でもいるとたい」
「その軍勢は強うなるな」
「そうなるたいが」
　それでもとだ、美鈴はさらに話した。
「逆に星のモンがおらん軍勢はたい」
「その動きが随分落ちるな」
「そうたい、だから今の南洋の軍勢は」　
　星の者が全員一騎打ちを強いられている今はというのだ。
「ただ数が多い軍勢たい」
「それに過ぎん様になってるか」
「そうたい、だから私達はこうするたい」
　美鈴は今度は自身の特殊攻撃である式神を放った、それで敵の将官と思われる旗の下で兵達に命じていたオークの者を倒した。　
　そうしてからだ、美鈴は中里にあらためて話した。
「攻めて勝てるたい」
「そういうことやな」
「如何に大軍といえど」
「優れた指揮官がおらんとな」
「弱くなるたい」
「それが自明の理やな」
「南洋の軍勢は指揮系統も布陣もしっかりしているたいが」
　リーが整えさせたものだ、彼も戦に勝つことを考えていてそうしたことをしっかりと整えていたのだ。
「それでもとよ」
「しっかりした指揮官がいてこそやな」
「しかも星のモンの力もないとよ」
　そちらもというのだ。
「だから本当にその分たい」
「今の南洋の軍勢は弱くてか」
「勝てるたい」　
　美鈴は言い切った。
「それも絶対に」
「そやな」
「じゃあこのまま攻めていくたい」
「敵は次第に数を減らしています」
　雅は敵軍の状況を見て中里に話した。
「ほな」
「そやな、ここはな」
「攻勢を強めましょう」
「星のモンは敵の軍勢に術を放ち続けるんや」
　中里は雅の言葉を受けて早速指示を出した。
「それで気力が尽きたらな」
「その時はですね」
「気力を回復させる薬を飲んでな」
　アイテムにあるそれをというのだ。
「そうしてまたや」
「術を放つ」
「そうして戦うんや」
　こう雅にも話した。
「今は」
「そうして敵の数を減らしていきますね」
「そうしていくんや」
「一ついいか」
　空船の一隻から吉川が貝殻を通じて言ってきた、彼は海軍だけでなくそちらも率いて中里の指揮下で戦っているのだ。
「こちらもだ」
「ああ、暴れてくれてるな」
「そうしているが」　
「そっちもやな」
「私も術を使えというのだな」
「采配の合間にな」
　中里は吉川の問いに答えた。
「そうしてくれるか」
「わかった」
　吉川は中里のその指示に応えた。
「ではな」
「そうしてもらうで」
「そしてだが」
　吉川はさらに言った。
「こちらには又吉と尾崎もいる」
「それでやな」
「かなり有利に戦えているが」
「敵の方はやな」
「星の者の指揮官がいない」
　その為にというのだ。