八条学園騒動記
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第五百五十三話 カトリの髪の毛その六
「そこに行くことはね」
「出来ないんだね」
「どうもね」
「そうなんだね」
「ええ、けれどね」
クラスには行きにくい、だがそれでもというのだ。
「カトリさんにはお会いしたいのよ」
「美髪の秘密を聞きたいんだね」
「どうしてもね」
「じゃあね」
「じゃあ?」
「ちょっとウェンディに聞いてみるよ」
「ウェンディさんも二年S1組だから」
ティンはこのことも知っていた、このことはピーターからよく聞いていてそれで知っているのである。
「それでなのね」
「それでティンがカトリと会える様にね」
「してくれるのね」
「それでどうかな」
「ええ、じゃあね」
それならというのだ。
「宜しくね」
「聞いてというか話してみるね」
「じゃあね」
「うん、けれど女の子は」
ピーターはティンの話を聞いてからこうも言った。
「どうしてもね」
「髪の毛のことね」
「それでね」
しかもというのだ。
「美容全体のことも」
「もうそれは女の子の習性というか」
「絶対のことだね」
「大抵の娘はね」
例外はいるがというのだ。
「注目していてね」
「熱心にだね」
「考えて」
そしてというのだ。
「調べてもいるのよ」
「そうなんだね」
「髪の毛のこともね」
こちらのこともというのだ。
「お肌もお化粧もスタイルも」
「全部のことが」
「もう熱心にね」
それこそというのだ。
「今の私みたいにね」
「聞いたりもして」
「やってるのよ」
「そうなんだね」
「というか男の人もでしょ」
ティンはここで兄に言った。
「髪の毛のことが」
「ああ、そのことだね」
「そう、必死でしょ」
「薄毛だね」
「白髪はまだいいわよね」
「男の人はね」
白髪のことはとだ、ピーターはティンに実際にだと話した。
「まだね」
「髪の毛が白くなっても」
「染める人はいるけれど」
気にしてであることは言うまでもない。
「染めない人も多いよ」
「そうよね」
「けれど、白髪はよくても」
「薄毛は、よね」
「特効薬使ってる人がね」
それこそというのだ。
「かなりいるよ」
「やっぱりそうよね」
「何でも十代でもね」
「くるのね」
「そうみたいだよ」
「それは嘘でしょ」
幾ら何でもとだ、ティンはピーターに反論した。
ページ上へ戻る