八条学園騒動記
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第五百五十三話 カトリの髪の毛その七
「十代でって」
「いや、どうもね」
「本当にいるのね」
「二十代でくる人もいるしね」
「所謂若ハゲね」
この言葉はこの時代にも存在している、髪の毛の問題は特効薬が出来てもそれでもあることはあるのだ。
「それは」
「うん、その若ハゲが極端な場合は」
「十代でもなの」
「そうらしいよ」
「それは怖いわね」
「二十代前半でもきて」
それでというのだ。
「毛生え薬使ってる人いるよ」
「あと育毛とか」
「そういう人がいて」
「十代でもって」
「信じられないと思うけれど」
それでもというのだ。
「くる人はね」
「くるのね」
「お話を聞くと、まあ仏教のお坊さんだと」
「宗派によってはね」
「剃るから」
「それできてもよね」
「問題ないけれどね、それでもね」
ピーターはティンにさらに話した。
「本当にくる人はくるから」
「十代で」
「皆必死だよ」
「そうなのね、ただね」
「ただ?」
「男の人って髪の毛以外は女の子程はよね」
ティンは兄に話した。
「別にね」
「ああ、身だしなみはね」
「気をつけてないわね」
「女の子と比べるとね」
「確かにそうよね」
「うん、女の子は特別だね」
これはピーターから見た女の子だ、彼にしてみれば女の子の身だしなみへの関心は異常なまでのものなのだ。
「本当に」
「髪の毛のことは」
「僕実はね」
「実は?」
「女の子は男の子程禿げないから」
「いいって思ってるの」
「そう思ってた時期があったよ」
ピーターにもというのだ。
「そうね」
「それがよ」
「身だしなみにはだね」
「もう必死にね」
髪の毛だけでなくメイクにスタイル、肌のことにというのだ。
「こだわってるわ」
「勿論ファッションにもだね」
「もうファッションは」
これはというと。
「男の子なんてね」
「めじゃないね」
「だってスカートもあるし下着も」
「下着もなんだ」
「私だって凄い気を使ってるから」
「そうだったんだ」
「縁起も担ぐし」
こちらのこともあってというのだ。
「もうね」
「かなり気を使ってるんだ」
「そうなのよ、基本色は白で」
あとピンクだ、ティンは下着は可愛い色やデザインを重んじている。
「清潔な感じの」
「そうした風で」
「可愛いね」
「そうした下着を選んでるだ」
「色は絶対に明るい色よ」
「だから白なんだ」
「ピンクかね」
ティンは自分からも言った。
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