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八条学園騒動記

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第五百五十三話 カトリの髪の毛その三

「ラプンツェルみたいな」
「童話の」
「ああいうのが面白いと思うけれど」
「あれ禿げるから」
 ティンはここでまたこの話をした。
「そうなるから」
「ああ、髪の毛伸ばし過ぎるとね」
「毛根に負担かかるから」
「だからだね」
「もうあそこまで伸ばしたら」
 塔の下まで届く位になると、というのだ。
「毛根に相当に負担がかかるから」
「禿げるんだね」
「そうなるわよ、しかも王子様か誰かが登ってくるでしょ」
「髪の毛からね」
「それもっと髪の毛に負担かかるから」
 それでというのだ。
「禿げるわよ」
「そうなるんだ」
「そうよ、そういえば」
 ティンはここでこんなことを言った。
「ラプンツェルって髪の毛洗うの大変よね」
「ああ、そういえば」
「っていうか昔は髪の毛毎日洗ってなかったわね」
 この時代では連合では絶対のこととなっている、毎日の入浴はもうこの国の共通文化の一つでシャワーもある。
「そういえば」
「そうなんだよね」
「お風呂自体にもね」
「当時のエウロパはね」
「殆ど入らなかったよね」
「何年かに一度とか」
「不潔ね」
 ティンはピーターのその話を聞いて言った。
「それはまた」
「お貴族様といっても」
「その実は、なのね」
「そんなので」
 不潔でとだ、ピーターも話した。ここでもエウロパへの偏見が出ていた。
「身体中蚤とか虱とか」
「そういうので一杯だったのね」
「さっき話した髪型あったね」
「あの一メートルも高くした」
「そうしたね」
 まさにというのだ。
「あの髪型セット大変で」
「それでなのね」
「一回セットしたら」
 それでというのだ。
「ずっとそのままでね」
「洗うこともないから」
「だからね」
「その中虱で一杯だったのね」
「そうだったんだ」
「そうだったのね」
「それでラプンツェルも」
 童話の彼女もというのだ。
「そういえばずっと塔に閉じ込められていて」
「お風呂はね」
「時々魔女が桶で洗えとか言ってきても」
「毎日じゃないわね」
「そんなのだからね」
 それでというのだ。
「多分ね」
「相当不潔だったのね」
「特に髪の毛は滅茶苦茶長いから」
「洗うのも大変で」
「もう滅多にね」
 それこそというのだ。
「洗わなかったと思うよ」
「じゃあ脂とフケで一杯ね」
「それで虱もね」
 虫の方もというのだ。
「滅茶苦茶ね」
「多かったのね」
「そうだったと思うよ」
「成程ね」
「そしてね」 
 それでというのだ。 
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