八条学園騒動記
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第五百五十三話 カトリの髪の毛その一
カトリの髪の毛
カトリの髪の毛の色は純金である、その奇麗さは有名であり黒い琥珀の瞳と合わさって彼女の美貌を形成している。
その彼女についてティンは兄のピーターに自宅で言った。
「ウェンディさんのお友達のカトリさんだけれど」
「あの金髪の娘だね」
「ええ、あの人の金髪奇麗よね」
「それで有名だね」
「どうしたらね」
ティンは心から言った。
「あんな奇麗な髪の毛になれるのかしら」
「ティンの髪の毛も奇麗じゃないか」
ピーターはスマホのゲームを中断してティンを見て答えた。
「それもかなり」
「そうかしら」
「赤い髪の毛が」
「この髪の毛好きだけれど」
嫌いだったことは一度もない、実際に。
「けれどね」
「あの娘の金髪はだね」
「本当に凄く奇麗だから」
それでというのだ。
「憧れてるの」
「そうなんだね」
「だからね」
ティンは雑誌を手にしているがそれは読まないで兄に話した。
「私もね」
「あんな奇麗な金髪にかな」
「色はともかくね」
そっちは赤毛でいいというのだ。
「あの奇麗さをね」
「身に着けたいんだ」
「何か秘密があるのかしら」
「まあ何かしていたら」
それでとだ、ピーターはゲームを再開しつつ答えた。
「奇麗になるね、逆にね」
「逆に?」
「何もしていなくてもね」
「奇麗だったりするの」
「本人はそう思っていても」
それでもというのだ。
「その実はってこともね」
「あるのね」
「素がいいとかね」
「それ大きいわよね」
「そうだね、それで悪いことをしていたら」
髪の毛にだ。
「やっぱりね」
「髪の毛乱れるわね」
「そして男だったら」
ピーターは自分の髪の毛を触りながら話した。
「今は治る様になったけれど」
「くるのね」
「そうなんだよね」
こう言うのだった。
「遺伝もあるけれど」
「それ女の子もでしょ」
「ああ、女の子もそういえば」
「歳を取ったら」
その時はというのだ。
「やっぱり抜けるから」
「くるんだね」
「女の子でも額広い人いるし」
ティンはピーターにそうした人の話もした。
「それでね」
「くる人はだね」
「くるわよ」
「それでお薬とか手術の世話になるんだね」
「そうよ」
この時代は薄毛や抜け毛つまり禿への特効薬も存在している、開発した医師はノーベル医学賞を獲得している。
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