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八条学園騒動記

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第五百五十二話 エンディングを観つつその十一

「そうじゃないかも知れないわよ」
「つまりわからないっていうのね」
「一滴位はね」
「入ってるかも知れないのね」
「それで一滴でも入ってたら」
 それでというのだ。
「もうね」
「それでなのね」
「言っていいから」
「古代フェニキア人の末裔って」
「そう言っていいのよ」
「それでなくても」
 エイミーはさらに言った。
「DNA検査しないから」
「だからね」
 その為にというのだ。
「いいのよ。というかフェニキアに移住してくる人はね」
「もうそれこそよね」
「わかったものじゃないから」
 連合では二十世紀後半や二十一世紀の日本の都道府県内の移動の様に移住も旅行も行なわれる、それでフェニキアにも移住する人もいるのだ。
「だからね」
「それでなのね」
「もうね」
「わかったものじゃないのね」
「移住してくる人なんて」
 それこそとだ、メグは話した。
「わからないでしょ」
「そうよね」
「これは連合のどの国もだけれど」
 古代民族の復活国家だけでなくだ。
「フェニキアもね」
「その辺りは同じなのね」
「そうしたものだから」
「もう深く考えてもっていうのね」
「そうよ、あとね」
「あと?」
「カルタゴはね」
 メグはこの国の話もした。
「歴史見たらフェニキア人なのよね」
「あそこカルタゴ人の植民都市だったから」
 それでとだ、ジョーが応えた。
「だからよね」
「そう、けれどそんな意識もね」
「あまりないわね」
「一応交流深いけれど」
「同じフェニキア人同士って言い合って」
「けれど実際の血縁関係はね」
「どう見てもないわね」
 ジョーは確かな声で答えた。
「そっちは」
「そうね、本当に」
「何か色々ね」
「考えて思うところがあるわね」
「ええ、どうもね」
 実際にとだ、姉妹は真エンディングの豪華版の結末まで観つつ話した。そしてそこから飲んでは寝た、そうして休んだのだった。


エンディングを観つつ   完


                 2019・12・16 
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