夢幻水滸伝
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第百二十四話 台風とその七
「今回は」
「考えが読めへんな」
リサールは思わずその手に賽子を出して自分の前に転がしてみた、しかしその目は彼が見てもわからないものだった。
「どうもな」
「何か考えがあるにしても」
それでもとだ、モレイもわからない感じだった。
「さて、それは一体」
「台風の中に入れば」
ブッパースウォングは台風がどういったものかわかって言った。
「無用な損害を受けますが」
「そうなるわね」
シェリルはブッパースウォングのその言葉に応えた。
「間違いなく」
「はい、その時は」
「そやね」
「そやからです」
「今回の日本の行動は」
「わしもわかりません」
こうシェリルに返すしかなかった。
「どうも」
「日本が一体何を考えているのか」
「これは」
「そしてここでわからないと考えを止めると」
今度言ったのがヴァンナリーレアクだった。
「あかんし」
「その通りだ」
リーはヴァンナリーレアクのその言葉に応えた。
「だからまずはよりだ」
「見ていきますか」
「そうしていこう」
「では斥候は」
「そのまま出す、そしてこの無何有郷の周りにはだ」
そこにはというと。
「空船を増やして警戒にあたる」
「それがいいわね。私も」
シェリルもリーに応えて言った。
「ドラゴンを出して」
「警戒にあてるな」
「そうさせてもらうわ」
「宜しく頼む、しかしこれは」
リーは考える顔でさらに言った。
「間違いなくあの男の考えだな」
「芥川やな」
ロシティーがその男の名を出した。
「あいつしかおらんな」
「そうだ、あの男がだ」
まさにとだ、リーはロシティーに応えて述べた。
「考えた。そのことはわかる」
「そやな」
「しかしどういった考えかはだ」
それはというのだ。
「わからない」
「そのことについては」
「残念ながらな」
「台風をどう使うつもりか」
ティンも考える顔であるが答えは出ていなかった。
「一体」
「幾ら考えてもわからないですね」
アルフィアンも述べた、ティンと同じ顔で。
「どうも」
「日本の長所は星の者の数」
このことはハウオファが指摘した。
「それを活かすにしても」
「わからへんな」
「残念ながら」
ハウオファはどうかという顔でティンに応えた。
「そこはでは」
「どういうつもりか」
「進路はこのままにするが」
リーは一同にあらためて述べた。
「今はだ」
「今は」
「警戒は強める、そして前面にはな」
そちらにはと言うのだった。
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