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八条学園騒動記

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第五百五十一話 ノーダメージクリアその七

「すっていたのよ」
「そうだったの」
「だからお金なかったの」
「そんな人だったの」
「それで節制も」
 生活におけるそれもというのだ。
「わかるわよね」
「伝え聞く性格だとね」
「子供のままみたいな人だったから」
 よくも悪くもだ、モーツァルトはそんな人間だった。
「無邪気で純真だけれれど」
「生活のことは」
「そう、全く出来なくて」
 まさに子供のままだったからだ。
「それでね」
「生活のことは子供のままで」
「節制なんか全くなかったから」
「それで亡くなったのね」
「若くしてね」
 僅か三十五歳であった。
「そうなったのよ」
「不摂生ね」
「しかも作曲ばかりして」
「過労ね」
「それもあって」
 ビリヤードで散財し生活費を稼ぐ為に作曲をする、そこには妻コンスタンツェのせっつきや浪費もあったというがそもそもモーツァルトに問題があった様である。
「だからね」
「若くして亡くなって」
「サリエリさんはね」
「関係なかったのね」
「そうみたいよ」
「そうだったのね」
「音楽は天才でも」
 この才能はあったがというのだ。
「生活の才能はね」
「なかったのね」
「そのせいでね」
 それでというのだ。
「亡くなったから」
「サリエリさんとばっちりね」
「そうね、色々言われて」
 モーツァルトを殺したとだ。
「実際は凄くいい人だったのに」
「ベートーベンさんみたいな人を宣伝してくれる位にね」
「私だったら」
 メグは自分の話もした。
「ベートーベンさんみたいな人は」
「推薦出来ないわね」
「問題があり過ぎるから」
 その人格がだ。
「だからね」
「まあ凄い人だったから」
「トラブルの元だから」
 ベートーベンの様な人物を推挙したらというのだ。
「本当にね」
「そうなるわよね」
「それを覚悟でするとか」
「出来ないわね」
「今だとボカロで出て来る人ね」
 ベスは今の音楽の話からした。
「ベートーベンさんは」
「そうかも知れないわね」
「そちらで才能発揮するわね」
「それで世に出るわね」
「そうよね」
「けれどあの性格は」
 極端に尊大で頑迷、短気で気難しいそれはというのだ。
「問題になるわ」
「そうよね」
「幾ら高潔で清廉潔白で公平でも」
 そうした長所はあってもというのだ、他には朝のコーヒー豆の数を数える几帳面さも兼ね備えていた。 
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