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八条学園騒動記

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第五百五十一話 ノーダメージクリアその四

「水面下ではね」
「必死に足を動かして泳いでるわね」
「そうしているから」
 だからだというのだ。
「ゲーム動画もなのね」
「努力してこそ」
「宣伝もなのね」
「駄目なのよ」
「楽なお仕事はないわね」
 ベスは次姉の言葉を聞いてしみじみとした顔になって述べた。
「本当に」
「まあ要するにね」
「そういうことなのね」
「そう、プロのゲーマーの人もね」
「そうした宣伝も努力してるのね」
「ゲームばかりして」
 本職のそれをというのだ。
「それだけでね」
「生きてけないのね」
「有名なゲーマーは」
 それこそというのだ。
「大抵そうしているわ、ただね」
「ただ?」
「漫画だと」
 ジョーはベスに話した。
「無名のゲーマーがいきなり大会に出て」
「優勝して」
「一躍有名になるってお話もあるでしょ」
「漫画ってそうした展開多いわね」
「小説でもアニメでもね」
「ゲームでも。彗星みたいに出て来て」
 まさに創作の演出である、主人公かそのライバルキャラがそうして出て来ることが大抵であろうか。
「インパクト与えるけれど」
「現実はなのね」
「そうもいかないから」
 創作の世界とは違ってというのだ。
「地道にね」
「努力してこそなのね」
「やっていけるのよ」
「やっぱりそれが現実ね」
「そうよね。世の中はね」
 メグも妹達の話を聞いて述べた。
「何でも努力ね」
「プラスで必要なのが才能でも閃きでも」
 そのどちらであってもというのだ。
「やっぱりね」
「努力ね」
「それが必要だから」
「宣伝もなのね」
「モーツァルトにしても」
 その天才音楽家はというと。
「お父さんが才能に気付いてね」
「音楽の演奏旅行に出たわね」
「子供の頃にね、それで神童として知られて」
 音楽界の中においてだ。
「それが最高の宣伝になったでしょ」
「そうだったわね」
「ベートーベンもサリエリが推挙して」
 モーツァルトに対して激しい嫉妬心を抱きライバル視していたという、そしてモーツァルトを殺したとも言われている。
「世に知られたし」
「あの、ベートーベンって」
 エイミーは姉達の話を聞いてこの音楽家の話をした。
「人間性は」
「かなり問題があったわね」
「物凄い頑迷で」 
 頑固どころではなかった。
「尊大で癇癪持ちで気難しい」
「付き合いにくい人だったわ」
「そうよね」
「その人間性のせいで」
「敵も多かったのよね」
「シューベルトは沢山のお友達に囲まれていて」
 ジョーは末妹にこんなことも言った。 
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