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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百五十八話 キャンプファイアーその二

「大々的にやるんだ」
「トリックオアトリートって」
「そう言ってお菓子をとはやらないけれどね」
「じゃあどうやるんですか?」
「お菓子出して飲むんだ」
「つまりパーティーですか」
「それをやるんだ、色々なお菓子が出て」
 そうしてだ。
「甘いお酒も出てね」
「それで飲んで食べて」
「そうして楽しむんだ」
「それがこの学園のハロウィンですね」
「カボチャのお菓子も出るよ」
 ハロウィンだけあってだ。
「そちらもね」
「ハロウィンだから」
「そちらはもうね」
 それこそだ。
「欠かせないってことで」
「出ますか」
「カボチャのパイとか」
 具体的にはこれが一番多い。
「出て来るよ」
「そうですか」
「まあ実はね」
 僕は千歳さんにハロウィンの話をさらにした。
「ハロウィンってケルトだけれど」
「イギリスとかアイルランドですよね」
「そう、あの辺りでね」
「この学校にも多いですよね、そちらから来ている人は」
「多いよ、名前でわかる場合も多いしね」
「マックとかオーとかついてる人が」
 千歳さんから具体的に挙げてきた。
「そうですよね」
「そうそう、例えばマッカーサーさんもね」
 アメリカ陸軍の元帥で日本に来たGHQ総司令官だった人だ。
「ケルト人だよ」
「そうでしたね」
「ルーツはスコットランドで」 
 だからスコットランド系アメリカ人になる。
「それでケルト人であることにも誇りを持っていたんだ」
「そうした人でしたね」
「当時のアメリカでは」
 二十世紀前半のだ。
「主流じゃなかったんだよね」
「ワスプですね」
 アルファベットではWASPとなる。
「ホワイト、アングロサクソン、プロテスタントで」
「建国以来のアメリカの主流だったんだよね」
「そうでしたね」
「はじまりはイギリスからの移民の国で」
 それでだったからだ。
「そこからだったから」
「そうした風になってましたね」
「プロテスタントってこともね」
 そちらの移民も多かったからだ。
「大事で」
「あの人は確か」
「そう、カトリックだったんだ」
 マッカーサーさんの宗教はこちらだった。
「だから白人でもね」
「ケルト系でカトリックで」
「その二つのことでね」
「当時のアメリカでは主流でなかったですね」
「当時はアメリカ人っていえばね」
 終戦直後のGHQの時代ならだ。
「あの人がアメリカ人の代表みたいに思われていたけれど」
「日本ではですね」
「そう思われていたけれど」
 その実はだ。
「アングロサクソンでもプロテスタントでもなかったから」
「主流ではなかったですね」
「そうだったんだよね」
「それは意外ですよね」
「うん、それでケルト人ということが」
 このことがだ。 
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