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夢幻水滸伝

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第百二十二話 台湾沖でその十二

「そちらも好きだから」
「だからか」
「お茶はね」
「レモンティーか」
「そちらにするわ」
「私も紅茶にするつもりだが」
 それでもと言うのだった。
「中国風のな」
「そちらの紅茶ね」
「それを飲みたい」
「紅茶といってもそれぞれね」
「そうだな、では今はな」
「お酒は後に置いておいて」
「お茶を飲もう」
「共にね」
 こう話して実際にだった、リーとシェリルは今は茶を飲んだ。酒を飲まないのいは他の者達も同じでモレイもだった。
 今はココナッツのジュースを飲みバナナを食べつつこんなことを笑って言った。
「いや、結構結構」
「気楽やな」
 そのモレイにアルフィアンが尋ねた。
「随分と」
「いや、今緊張してもですよ」 
 モレイはアルフィアンに笑ったまま返した。
「意味がないやないですか」
「緊張するのは戦の時か」
「警戒は必要ですが」
 それでもというのだ。
「気を抜く時は抜いて」
「英気を養うか」
「それが大事です、それで」
「今はかいな」
「こうして美味しいものを飲んで食べて」
 そうしてというのだ。
「剣術の鍛錬で身体も整え」
「戦になるとか」
「その時には気を引き締めて」
 即ち緊張して、というのだ。
「戦うべきです」
「それで今はかいな」
「笑っていましょう」
「そうか、しかし私はな」
 どうかとだ、アルフィアンはモレイに真面目な顔でこう言った。
「どうも」
「真面目になってしまいますか」
「そうなるからな」
「真面目もいいですが」
 それでもとだ、モレイは笑ってジュースを飲みつつアルフィアンに答えた。
「今はですよ」
「気を抜くべきか」
「そうかと」
「モレイの言う通りか」
 バイテはパンの実を食べつつ述べた、木の実だが実際にパンを思わせる。
「それは」
「そう言ってくれますか」
「ほんまに今緊張してもな」
「そうしてもですね」
「仕方ないな、斥候以外や」
「戦は絶対に来ます」
 その時はというのだ。
「そやから今は」
「飲んで食べてか」
「甘いジュースに果物を食べて」
 その様にしてというのだ。 
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