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八条学園騒動記

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第五百四十九話 無表情で豹変その九

「元帥はなれないの」
「シビアな設定ね」
「実際そうじゃない」
 連合ではとだ、エイミーはメグにあっさりとした調子で答えた。
「連合軍って」
「確か大将まではどの国になれても」
「元帥はね」
 この階級の者はというのだ。
「大国出身じゃないとね」
「なれないのね」
「ゲームの法律にはないけれど」
 もっと言えば連合中央政府の法律にもない。
「それでもね」
「なれないのね」
「何故か議会が通してくれないのよ」
 中央政府議会がというのだ。
「幾ら立派な人でもね」
「小国出身のキャラだと」
「そう、アメリカとか中国とかロシアとか」
「連合の中の大国でないとなのね」
「議会が元帥だって承認してくれないの、国防長官も大統領もね」
 軍の人事権を持つ彼等もというのだ、他には首相も軍の人事権を持っているし指揮権も持っている。
「そもそも小国出身だとね」
「元帥にしようと言わないのね」
「そうなの」
「リアルね」
「そこが妙にね」
「軍隊のことはよく知らないけれど」
 メグは第五ステージも進んでいっている、敵を薙ぎ倒しつつ。
「元帥のことは私もね」
「聞いてるわよね」
「大国の人しかなれないことはね」
「何かあれ決まってないけれど」
 ベスも言ってきた。
「それでもね」
「不文律ね」
 メグはこの言葉を出した、ここで。
「所謂」
「法律では書かれていないけれど」
「それでも決まってるのよね」
「慣習でね」
「そうみたいね」
「嫌な慣習ね」
 ベスは暗い顔で述べた。
「どうも」
「そうでしょ」
「普通にね、能力があったら」
「どんな国の人でもね」
「元帥になれたらいいのね」
「それがね」
「連合はね」
 どうもとだ、ベスは自分達の国の話をした。
「大国の力が強いから」
「他のお役所はそうでないみたいだけれど」
「というか中央政府自体が、よね」
「各国の政府と仲が悪いでしょ」
「それは中央政府軍もでしょ」
「それはそうだけれど」
 実際に中央政府軍と各国軍は仲が悪い、もっと言えば各国軍の間も結構以上に仲が悪かったりする。
「それでも」
「そう、何故かね」
「中央政府軍ではなのね」
「大国主義らしいわ」
「お陰でゲームだとね」
 エイミーは中央政府軍が各国軍を集めて創設されたのでまだ各国の思惑が入っていて人事にも影響していることまでは知らないまま言った。
「軍人さんになるとね」
「中央政府軍だとなのね」
「大国出身じゃないと」
 この条件がなければというのだ。
「一番偉くなれないのよ」
「元帥にはなれないのね」
「そこまではね」
 とてもというのだ。
「残念だけれど」
「そうなのね」
「そうなってるのよ、とはいっても」
 エイミーはさらに話した。 
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