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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百五十七話 イタワッチさんの好きなものその十五

「鯨の」
「それで龍馬さんも鯨食べたの?」
「多分ね、あの人は高知城の城下町にいたから」
「じゃあ鯨を食べて鰹も」
「そうだったと思うよ」
「新鮮なお魚を楽しんでいたのね」
「あの人の家お金持ちだったし」
 それで江戸にも剣術の修行に行けたのだ、多分下手な上士の人達よりもお金持ちだった筈だ。
「それこそ上等な」
「新鮮なお魚食べていたのね」
「そうだったと思うよ」
「そう考えると余計に面白いわね」
「そうだよね、しかしね」
「しかし?」
「こんなこと話してると僕も鰹食べたくなったよ」
 僕にしてもだ。
「そうしたいよ」
「そうなのね」
「今度小野さんに作ってもらおうかな」
 お願いしてだ。
「鰹のたたきをね」
「それで龍馬さんみたいに食べるよね」
「そうしようかな」
「美味しそうね、私も日本に来てお刺身好きになったわ」
「美味しいからね」
「ええ、最初お魚を生で食べるって聞いて」
 イタワッチさんとしてはだ。
「何それってなったけれど」
「インドネシアでも生もの食べないよね」
「ええ、それで大丈夫かしらって思ったら」
「これが美味しいよね」
「とてもね、だから鰹のたたきやるなら」
 たたきと言うけれど表面だけ炙っているので基本お刺身と変わらない、何でも生ものを食べるなという殿様に対してそうして食べたのがはじまりらしい。
「それならね」
「イタワッチさんも食べるね」
「是非ね、じゃあ私これでバイク持って行くから」 
 整備が終わってというのだ。
「またね」
「うん、またね」
 僕達は笑顔で別れた、そうして僕はキャンプファイアーの場所に向かった。もうそこでダンスがはじまろうとしていた。


第二百五十七話   完


                2019・10・23 
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