夢幻水滸伝
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第百二十二話 台湾沖でその四
「それでええって決めたやろ」
「はい、確かに」
「どの勢力が覇権握っても悪いことにはならへんです」
デラリンダははっきりと言い切った。
「どうした形でも十人の神星の人が軸になりますし」
「あの連中やとな」
それこそとだ、黄も応えた。
「ほんまにな」
「どうしてもですね」
「悪いことにはならん、安定感もあるしな」
「そうですさかい」
「安心してええわ」
「それでや、僕ちん達もな」
「こうしてですね」
「争いには参加せずな」
そうしてというのだ。
「ことの成り行きを見守るんや」
「そうしますね」
「こうしてな、しかし日本と南洋が争って」
黄は今度は焼売を食べつつ話した。
「どっちが勝つかやが」
「兵力やと南洋でしょ」
「あそこかと」
梁とデラリンダは二人で話した。
「神星の人も二人いてますし」
「やっぱり強いです」
「そやな、日本は不利や」
黄のこの見方も変わらなかった。
「どう考えてもな」
「ほな日本は負けて」
「南洋が残りますか」
「そうなるやろな、ただ何か」
今度はだった、黄はどうかという顔で二人に話した。
「日本はな」
「その劣勢を覆す」
「そうも思えますか」
「やっぱり星のモンがダントツで多いからな」
このことが大きくて、というのだ。
「そして神星が三人もおるからな」
「紫さんと中里さん、芥川さんですね」
梁が言ってきた。
「合わせて三人ですね」
「そや、三極星と六将星と四智星からな」
「一人ずつですね」
「そのバランスもええ、南洋は四智星から二人でや」
それでとだ、黄は梁に答えた。
「アメリカと中国は六将星から二人ずつやろ」
「それで中南米とアフリカは六将星のアレンカールさん」
「同じ系列の星ばかりやろ、けど日本はな」
「それぞれおられますね」
「三極星は君主でや」
黄は棟梁をこう表現した。
「それで六将星は将軍、四智星は軍師や」
「人材がバランスよく揃ってますね」
「そら他の勢力にも武将や軍師はおるわ」
「神星でなくとも」
「そや、それでもや」
「神星ではなくて」
「特に君主がな」
この立場の者がというのだ。
「他の勢力にはおらんやろ」
「三極星ですね」
君主と聞いてだ、ロザリンデは言った。
「星の中でも頂点にあるとされている」
「星は四つのランクがあるな」
「はい、まずは天地人の三つのランクがあり」
「その上に図抜けて力が強くて他の星のモンを統べる神星がおる」
「十八人ですね」
「そのうちの三人が三極星やな」
「枢軸のエカチェリーナさん、タゴールさんに」
それにとだ、ロザリンデはさらに言った。
「綾乃さんですね」
「そうや、図抜けて能力の高い神星でや」
「君主、武将、軍師が揃っていますね」
「これは相当大きい、しかも中里は六将星の筆頭でや」
星は同じクラスでも序列がある、その序列の話もするのだ。
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