| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵を表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

夢幻水滸伝

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第百二十二話 台湾沖でその三

「そもそも民も銭もそうで」
「兵もな」
「何でも数がありますと」
「やっぱり力や、実際僕ちん達もな」
 黄は日本風にロックにして冷やした桂花陳酒を飲みつつこうも言った。
「数がないやろ」
「一つの勢力でも」
「小勢力や」
 自分達の勢力はというのだ。
「所詮な」
「マカオも香港も」
 デラリンダはピータンを食べつつ述べた。
「そして黄さんの台湾も」
「所詮って言ってええ」
「小勢力ですね」
「覇権争う勢力と比べたらな」
「その小さい日本でも人口は一億を優に超えていますし」
「しかもや」
 それに加えてというのだ。
「一国の国力やと第三位やろ」
「この世界でも」
「銭はある」
 これはというのだ。
「一国だけやとほんま国力はダントツに近いは」
「一億四千万の人口にしては」
「僕ちん達の世界で言うと国民所得な」
 ここから考えると、というのだ。
「国民一人当たりの総生産か」
「それで言うとこの世界で二位ですね」
「アメリカの次に来る」
「産業は発展し技術力もあり」
「しかもこっちの世界では金や銀がどんどん発掘されてる」
 資源のこともあるというのだ。
「そやからな」
「国力自体はありますね」
「一国だけやとな、けどな」
 それでもとだ、黄は今度は新たに来た餅を食べた、中華の餅で小麦を練って焼いたものだ。韮餅である。
「僕ちん達はな、台湾で二千万でな」
「香港やマカオは都市に過ぎません」
 梁も述べた。
「所詮は」
「そこで所詮って言うてもな」
「否定しません」
 梁に飲みつつ答えた。
「事実ですさかい」
「それでやな」
「兵も少しで」
 戦で最も重要なこのこともというのだ。
「それで星のモンもです」
「一人やとな」
「もうです」
「戦にならんわ」
「はい、自分達は元々野心はないですが」
「民も望んでない」
「ですがそれ以前に」
 まさにというのだ。
「国力がです」
「ないな」
「覇権を争うまでは」
 とてもとだ、梁は黄に答えた。
「とても」
「そやろ、僕ちん達の勢力は銭はあって豊かではあるが」
「それもですね」
「所詮は小勢力やからな」
 だからだというのだ。
「ほんまにな」
「一つの国としてのことや」
「台湾ですら」
 この三つの勢力の中では一番大きなこの国でもというのだ。
「そやから」
「もうとてもな」
 それこそと言うのだった。
「戦するとかな」
「考えられへん」
「現実でとしてな」
「それで、ですね」
「僕等は覇権を争う戦には関わらず」
「全部が終わった後で」
「統一に参加する」
 そうすると言うのだった。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧