八条学園騒動記
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第五百四十九話 無表情で豹変その六
「練習していてもね」
「そもそものセンスがないと」
「ここまではね」
ジョーとベスは末妹に応えた。
「なれないわよね」
「どう考えても」
「私はそんなにやってないわよ」
メグは三人の妹達に素っ気ない声で答えた。
「別に」
「いや、センスがあってね」
そしてとだ、エイミーはメグに返した。
「それでね」
「ゲームもしているから」
「だからよ」
「今の実力なのね」
「そうよ」
まさにというのだ。
「天才とは何か」
「九十九パーセントの努力とね」
ここで言ったのはジョーだった。
「一パーセントの才能っていうからね」
「元々の言葉は」
ベスはこの言葉のことをさらに話した、言うまでもなく発明王とまで言われたエジソンの言葉である。
「九十九パーセントの努力をしてもね」
「一パーセントの閃きがないとね」
「結果は出ないとかいう言葉だったわね」
「発明の言葉ね」
「努力だけでなく」
それに加えてというのだ。
「閃きね」
「それもあって」
この二つが合わさってというのだ。
「そしてね」
「そのうえでよね」
「そう、発明が実現する」
「発明王らしい言葉ね」
「そうよね」
ジョーは自分から見て上の妹の言葉に頷いた。
「元の言葉は」
「そうよね、ただ」
「それでもね」
「天才について考えると」
発明ではなくだ、何かの分野での能力という意味での言葉だった。
「やっぱりね」
「九十九パーセントの努力と」
「それとね」
それに合わせてというのだ。
「一パーセントの才能」
「この二つよね」
「まあ九十九パーセントの努力で」
それでとだ、ベスは話した。
「相当なものだけれどね」
「実際のところね」
「プロにもなれる位よね」
「その域まで努力したら」
「けれど」
エイミーは姉達に続いて言った。
「そこに一パーセントの才能があればね」
「天才になる」
「お姉ちゃんはそうよね」
「そう思うわ、モーツァルトは百二十パーセントの才能に」
作曲をしていないと苦しくなるとまで言っていた、実際に僅か三十五年の生涯で膨大な数の曲を残している。
「十パーセントの才能?」
「普通の人の十倍の才能ね」
ベスも応えた。
「それ位ね」
「そうよね」
「二十パーセントの才能かも知れないけれど」
モーツァルトの音楽の才能はというのだ。
「あの人は」
「それ位あるかもね」
「そうよね」
まさにというのだ。
「だから音楽の歴史でもね」
「最大の天才って言われてるのね」
「今もね」
「まあモーツァルトは天才でも別格として」
ジョーもモーツァルトの才能を認めてこう言った。
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