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夢幻水滸伝

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第百二十一話 台風その八

「神星同士の勝負でな」
「神星、棟梁が負けたら」
「もうその時点で戦自体も勝負ありやろ」
「そうなるね、やっぱり」
「総大将が負けたらな」
 それこそというのだ。
「終わりやろ」
「そやね、うち等にしても」
「それだけ総大将、棟梁の存在は大きい」
「それでやね」
「その勝敗がな」
 神星の者同士での一騎打ちのそれがというのだ。
「戦の勝負自体を決める」
「そやから余計にやね」
「僕等の責務は大きいで」
「そういうことやね」
「そやからな」
「この度の戦はうち等は」
「絶対に勝たなあかん」
 こう芥川に言うのだった。
「そのつもりで戦うで」
「ほなそうしていこな」
 二人で話した、そしてだった。
 北原が三人にこう言ってきた。
「それで敵の居場所でごわすが」
「そちらのことやな」
 芥川が応えた。
「一体何処におるか」
「それを把握してこそでごわす」
「そや、それで常にや」
「斥候を出しているでごわすな」
「それで把握してる、こうした時はな」
 ここで芥川は自分の弟子である佐藤兄妹を見た、そうしてそのうえで北原に対して自身のある笑みで述べた。
「僕等やろ」
「忍でごわすな」
「忍者はな、ほんまにな」
「敵を調べる為にいるでごわすな」
「忍ぶ、隠れるは専門や」
 忍者にとってというのだ。
「飛べる種族や術を使ったら余計にやしな」
「それにでごわすな」
「大凧も使える」
 この世界の大凧は自然に飛べる、これは錬金術を使ってのことだ。
「ムササビの術かてな、さらに敵の移動要塞にもな」
「入ることもでごわすか」
「させるつもりやしな」
 そうして調べさせるというのだ。
「そやからや」
「敵のことはわかるでごわすな」
「居場所どころかな」
 それこそというのだ。
「細かい内情までな」
「既にかなり把握しているな」
 今度は室生が言ってきた。
「そういえば」
「そやろ、これは南洋だけやなくてな」
「他の勢力についてもだな」
「同じや、忍者の数も限られてるが」
 それでもというのだ。
「こっちの忍者は他の兵種と同じでや」
「精鋭揃いでだな」
「色々調べられるからな、それもばれずに」
「だからわかるな」
「敵のこともな、それで南洋についても」
「調べていてだな」
「その調べたことは逐一報が来るさかいな」
 それでというのだ。
「安心してくれや」
「そうさせてもらう」
「ほなな」
「さて、今はだぎゃ」
 坂口も言ってきた。
「戦の用意だがや」
「そや、もう武器は全部万全に使える様にしてや」
 中里が坂口に応えた。 
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