夢幻水滸伝
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第百二十一話 台風その九
「そのうえでや」
「防具も手入れをしてだがや」
「布陣の検討もしてな」
「戦に備えるだがや」
「そうしていくで、そしてな」
中里はさらに言った。
「何もかも万全にしてな」
「戦に向かうだがや」
「そうするで、その為に錬丹術や魔術を入れた武具にや」
「最新の兵器も用意しただがや」
「鉄砲も変えたやろ」
「最新式の魔術も入ったライフル銃だがや」
「それに大砲も新型や」
こちらも換えたというのだ。
「海の軍艦も空船も」
「両方最新型だがや」
「流石にアメリカには劣るが」
それでもというのだ。
「日本としては目一杯の最新兵器ばかりにした」
「それを精鋭が持ってるだがや」
「これで戦うんや」
こう言うのだった。
「勝つで」
「わかっただがや」
「そして飯もな」
中里はこちらの話もした。
「よおさんあるしこの蓬莱は田畑も牧場もある」
「新鮮なものも食えるだがや」
「そやから戦ってくで」
食料のことも安心してというのだ。
「ええな」
「そういうことだぎゃな」
「そや、ほなこのまま南下していくな」
敵に向かってとだ、こう話してだった。
蓬莱は南下を続けていった、薩摩の沖から琉球まで着くとだった。
そこで補給を受けたがここでだった。中里はこんなことを言った。
「若し琉球がこの世界にもなかったら」
「戦略としてですね」
「困ってたな」
琉球の者である又吉に話した。
「ほんまに」
「ここに日本でも屈指の基地を置いているので」
「それでや」
「こうして補給も受けられますね」
「そしてそのうえでな」
「戦えますね」
「そや、それでや」
その為にというのだ。
「これからも琉球はな」
「重要な軍事基地としてもですね」
「使ってくで」
そうするとだ、中里は又吉に話した。
「南洋との戦が終わったらまたや」
「こちらに戻ってですね」
「補給を受けてそしてな」
「休養もですね」
「摂る、戦の合間に補給と休憩をしたら」
そうしたことをすればというのだ。
「次の戦にもええやろ」
「はい、確かに」
「ずっと戦い通しやとな」
「どうしても疲労が溜まりますね」
「そやからな」
そうなることが自明の理だからというのだ。
「その都度な」
「戦が終わる度にですね」
「補給もして」
「蓬莱は自給自足が出来ても」
「やっぱり補給を受けた方がええ」
だからだというのだ。
「それでや」
「補給もですね」
「欠かせん、そやから琉球には本土からようさんの兵器と食料を運んでる」
「燃料や弾薬も」
「それで日本屈指の軍事基地にしてるんや」
これも芥川の戦略だ、この度の一連の戦の前からこのことは考えていてそれで日本統一と同時に基地化を推し進めたのだ。
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