夢幻水滸伝

「策を練ってや」
「それでやな」
「考えてきた、それでや」
「これからやな」
「戦うわ」
「それでリーを破るんやな」
「そうする、確かにあいつは凄い奴やが誰かて弱点はある」
　芥川は確かな顔で述べた。
「抜群の知力と政治力にや」
「そうした神具もあるな」
「戦では十絶陣もある、しかしな」
「それでもやな」
「格闘戦はどないや」
　この戦いはどうかというのだ。
「果たして」
「それでやな」
「そや、ここはや」
「自分はそれを挑むか」
「十絶陣を出してきても」
　このことはもう絶対に来るとだ、芥川は確信している。そしてそのうえで中里に対して言うのである。
「僕が破る、そしてだ」
「リーを破ってか」
「そのうえで敵の軍勢にも向かうからな」
「その時はやな」
「勝つ時や」
　まさにその時だというのだ。
「ええな」
「それやったらな」
「それでな」
　芥川はさらに話した。
「シェリルちゃんはや」
「うちやね」
　綾乃が笑って応えた。
「うちがどう戦うかやね」
「そや、綾乃ちゃんはあの娘と戦ってな」
「勝てっていうんやね」
「綾乃ちゃんやったら勝てる」
　シェリル、彼女にというのだ。
「そうやからな」
「うちをって言うたんやね」
「そや、ただここでご指名とは言わんからな」
「それは何でなん？」
「そう言うと何か風俗店みたいやからな」
　芥川はこのことは苦笑いで述べた。
「そやからな」
「あっ、そういうお店みたいで」
「高校生が使う言葉やないし」
　こちらの世界でもこのことは意識しているのだ。
「そもそも僕そういうお店言ったことないわ」
「言ったらおかしいね」
「そや、それでや」
　だからだというのだ。
「僕もな」
「この表現はやね」
「使わんで」
　それでというのだ。
「いくわ」
「そやねんね」
「そや、それでな」
「シェリルちゃんにはやね」
「綾乃ちゃんや、八岐大蛇でな」
　綾乃の神具であるこの八頭の巨大な蛇の力でというのだ。
「ドラゴン達、そしてや」
「うち自身がやね」
「シェリルちゃんに向かって」
　そしてというのだ。
「勝ってもらう、というかや」
「うちやったら」
「それこそな」
「絶対にっていうんやね」
「勝てると確信してるからな」
　こう見ているからこそというのだ。
「僕も綾乃ちゃんにって言うんや」
「そうやねんね」
「僕等はリーとシェリルちゃん破ったらな」
「敵軍に向かうんやね」
「その予定やけど。ただな」
　ここで芥川はこうも言った。