八条学園騒動記
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第五百四十八話 姉妹の名前その九
「漢字だと部栖なのよね」
「私なんて詠美よ」
エイミーも自分の漢字の名前を出した。
「銀河語って文字一つじゃないから」
「使う文字はね」
「アルファベットにアラビア文字にね」
「漢字で平仮名で」
それでというのだ。
「凄いわよね」
「本当にね」
「だからね」
「兄さんの漢字の名前は」
才というそれはというのだ。
「多分にね」
「簡単でいいわよね」
「気に入る筈よね」
「そうよね」
四人で話した、そしてその後でだった。
エイミーは今度はこんなことを言った。
「ひいお祖父ちゃんの名前ハンニバルだけれど」
「その名前ね」
「これ漢字だとね」
ジョーに応えつつ話した。
「藩弐原よね」
「そうよね」
「恰好いい名前でも」
「書きにくそうね」
「そうよね」
「というか」
ジョーはここでこうも言った。
「こうして色々な文字を使う言語でね」
「銀河語ってね」
「それを使ってるから」
「連合市民って頭いい?」
「そうかもね」
実際にというのだ。
「難しい言葉をいつも使って」
「しかも母国語も勉強するし」
フェニキアだとフェニキア語だ、古代のそれを復活させてそのうえであえて使っている。これも古代国家のアイデンティーだ。
「それじゃあね」
「エウロパと比べてもね」
「知能指数がね」
「いいのよね」
「そうよね」
まさにというのだ。
「それで」
「というか」
ここでだ、ベスはこんなことを言った。
「エウロパの方が知能指数低いのよね」
「連合のどの国よりもね」
メグはエイミーにすぐに答えた。
「そうよ、エウロパ各国の知能指数の平均は」
「そうなのね」
「連合は全部百超えてるけれど」
その知能指数がというのだ。
「エウロパはね」
「百超えてないの」
「どの国も九十代後半なの」
「そうなのね」
「知能指数は訓練で高まるわ」
「運動神経と一緒なの」
「そう、訓練すればね」
それでというのだ、実は知能指数というものは生まれつきの数字ではなく訓練次第で上下するものなのだ。
「上がるから」
「じゃあ難しい言語を使っても」
「上がるみたいよ」
「そうなのね」
「いつも頭を使うことをしていたら」
それが訓練になってというのだ。
ページ上へ戻る