八条学園騒動記
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第五百四十八話 姉妹の名前その七
「あまりないわよね」
「だって普通に子供四人はあっても」
これはとだ、メグはベスにも話した。
「四人続いて女の子はね」
「可能性は半分よね」
「女の子か男の子かね」
「そうよね」
「それでずっと女の子は」
産み分けを使わずにというのだ。
「ないから」
「そうよね、まあね」
ここでベスはこんなことも言った。
「私達は四人姉妹だけれど」
「私達四人はね」
「兄さんいるし」
「一番上にね」
メグの兄である、つまり四人姉妹共通の兄だ。
「実家に」
「兄さんの時は産み分けと妊娠治療したらしいけれど」
「私達はしなくてね」
「もう妊娠したらよくて」
両親共そうした考えだったのだ。
「男の子でも女の子でもいい」
「何か最初の子にこだわるお家多いわよね」
「男の子にしても女の子にしても」
性別はともかくとして、というのだ。
「絶対にどっちかで」
「後はもう片方の性別かね」
「もう性別はどうでもいい」
「子供さえ出来ればって」
「そうしたお家多くて」
「うちもだったのね」
「それで私達四人が生まれたけれど」
エイミーはゲームを続けつつ言った。
「四人連続はあまり可能性ないわよね」
「そうよね、若し生まれなかったり」
「途中男の子だったら」
「どうしたのかしら」
「あれじゃないかしら」
ベスは少し考えた顔になって話した。
「もうね」
「もうっていうと」
「だから途中で生まれなさそうなら妊娠治療うけて」
妊娠促進のそれをというのだ、これが不妊解決ならば不妊治療となる。
「それで男の子が生まれてもね」
「また作るの」
「そうしていたんじゃないかしら」
「そうだったのね」
「それでね」
ベスはエイミーにさらに話した。
「私達は幸い四人続けて女の子で生まれたから」
「ストレートにいったのね」
「多分私達の間に男の子が入っても」
自分達から見れば兄弟である人がというのだ。
「名前は続けていたと思うわ」
「そうなのね」
「ひいお祖父ちゃんはね」
「そうね、ひいお祖父ちゃんって変に頑固だから」
エイミーは三姉の話を聞いてここで自分達の名付け親の彼のことを思い出した。
「それじゃあね」
「そうしていたわね」
「変にこだわり強いし」
自分達の祖父はというのだ。
「本当にね」
「だったら」
「そうしていたわね」
「ひいお祖父ちゃんの頑固さは」
ジョーもその話をした。
「何なのかしらね」
「あれでしょ。自分の名前がね」
「あっ、ハンニバルね」
「あの人の意志が強かったから」
カルタゴの名将だ、カルタゴでは第一の偉人とされているがカルタゴは元々フェニキア人の植民都市なのでフェニキアでも人気があるのだ。
「だからね」
「自分もっていうの」
「そう考えてね」
「あの頑固さんなの」
「意識しているみたいよ」
ハンニバルをというのだ。
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