八条学園騒動記
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第五百四十八話 姉妹の名前その六
「本音はね」
「凄いものがあるでしょ」
「どの国も国益があってね」
「その国益を手に入れる為だから」
「もう建前があきらかなお飾りだと」
「わかる場合もあるわね」
「私でもね」
こう姉に答えた。
「あるわ、もうばればれってね」
「アメリカとか中国とかね」
ベスはこの二国の名前を出した。
「凄いからね」
「あの二国は特にそうね」
「もう絶対に国益手に入れるで動くから」
「建前出してもでしょ」
「本音はどう見ても違うとか」
「あるわね」
「本当にね」
まさにとだ、ベスは長姉に答えた。
「あの二国とかロシアはね」
「凄いわね」
「そう、結局ね」
「人間の世の中がそうで」
「南北戦争もそうだったのね」
「確かにあの戦争で北部が勝ってね」
そうしてとだ、メグはさらに話した。
「奴隷制度はなくなったわ」
「黒人の人達も自由になったのね」
「そうなったけれど」
「その実は」
「経済とか産業のことで」
それでというのだ。
「結構どろどろしてるのよ」
「政治ね」
「そのままね、それその時代をね」
「作者さんは生きていたのね」
「オルコットさんはね」
まさにこの人はというのだ。
「それで学校の先生になるのよ」
「私の名前の人ね」
ジョーは自分の名前の登場人物がオルコット自身であることから言った。
「そうなったのね」
「それで続編もあるしね」
「そうよね」
「その頃のアメリカも書いたね」
若草物語のシリーズはというのだ。
「いい作品よ」
「そういうことね」
「ただね」
ジョーはここでこうも言った。
「若しもよ」
「若しも?」
「私達が四人姉妹じゃなかったら」
「そうね、若し二人か三人か」
メグもジョーの言葉に頷いた。
「私で終わっていたら」
「どうだったかってなるわね」
「そうなのよね」
「そう思うとひいお祖父ちゃんもね」
ジョーは自分達の名付け親の話もした。
「思い切ったわね」
「この名前は若しもよ」
「二人か三人で終わっていたら」
「それか途中で男の子が生まれていたら」
その場合もとだ、メグは話した。
「終わりだから」
「そうよね」
「お父さんとお母さん基本産み分けとかね」
男女のそれをだ、この時代の技術では妊娠する時にどちらかの性別にすることも可能になっているのだ。
「あと妊娠促進とかね」
「そうしたことしてなかったのよね」
「だからね」
「四人姉妹になるってね」
「可能性薄かったのよ」
「四人姉妹って実はね」
ベスも言ってきた。
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