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八条学園騒動記

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第五百四十八話 姉妹の名前その四

「しかもいい名前だしね」
「そうよね」
「そうなのよね、何でもね」
 ジョーがここで言うことはというと。
「本当の名前は違ったみたいだけれど」
「本当の名前?」
「若草物語って作者さんのお話よ」
 オルコットのとだ、ジョーはエイミーに話した。
「作者さんの姉妹のね」
「あっ、そうだったわね」
 言われてだ、エイミーもそのことを思い出した。
「実はね」
「ジョーが作者さんらしいから」
「つまりお姉ちゃんね」
「私文学好きだけれど」
 それでもとだ、ジョーは自分がオルコットかというと笑って話した。
「小説書かないけれどね」
「そうよね」
「だからそこは違うから」
「オルコットさんじゃないわね」
「そこはね」
「まあ流石に違うわね」
「ええ、しかし南北戦争も凄いわね」
 ジョーは今度はこの戦争の話をした。
「アメリカも大変だったのね」
「そうね、内戦やって」
 そしてとだ、メグは自分から見てすぐ下の妹に応えた。
「沢山の人が死んで」
「そう思うとね」
「大変だったわ」
「その時代のアメリカね」
「何でも」
 メグはここでこうしたことも言った。
「奴隷解放というより」
「あれよね、産業の対立よね」
「それが深刻化して」
 そしてというのだ。
「内戦になったのよ」
「そうよね」
「奴隷とかはね」
「その次ね」
「所謂大義名分で」
 それでというのだ。
「副次的なものだったのよ」
「何か若草物語だと」
 エイミーはこの作品から話した、四人共この作品はシリーズ全て全部読んでいる。四人にとって聖書に匹敵する本だ。つなみに四人共キリスト教徒ではない。
「それが第一だけれど」
「だからその実はね」
「違うのね」
「そうよ」
 まさにというのだ。
「戦争になった理由はね」
「そこちょっとショックかも」
「世の中ってそういうものでしょ」
「建前と本音ね」
「そのことは違うから」
 まさにというのだ。
「南北戦争でもね」
「世の中って大体そうね」
「そうでしょ、まあ建前と本音が同じ人もいるけれど」
「本音しか言わない人とか?」
「そうした人もいるでしょ」
 世の中には、とだ。メグは編みものをしつつゲームを続けるエイミーに話した。
「中には」
「それでもなのね」
「やっぱり大抵はね」
「建前と本音ね」
「それが違うから」
 だからだというのだ。
「エイミーも覚えておいてね」
「建前と本音ね」
「それは違うものよ」
「南北戦争も然りね」
「そうよ」
「天本博士は本音のみだけれど」
 ベスは建前と本音が同じケースとしてこのマッドサイエンティストの名前を出した。 
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