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八条学園騒動記

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第五百四十八話 姉妹の名前その一

               姉妹の名前
 エイミーはゲームをしながら自分達の部屋の中で姉達に急にこんなことを言った。
「私達の名前ってアメリカ人の名前よね」
「姓は違うわよ」
 長姉のメグが編みものをしながらすぐに答えた。
「言っておくけれどね」
「けれど名前はよね」
「だってひいお祖父ちゃんがアメリカ人で」
「そのひいお祖父ちゃんがつけたのよね」
「私達四人の名前をね」
「そうよね」
「それでひいお祖父ちゃんがね」
 メグはエイミーにさらに話した。
「若草物語好きで」
「それでなのね」
「順番にね」
「四姉妹の名前付けたのね」
「そうだったのよ」
「けれどね」 
 次姐のジョーがここで本を読みながら言ってきた、読んでいるのは今日本で人気のライトノベルである。
「よく続いたわね」
「四人ね」
「子供が生まれるのはともかくとして」
 連合は多産で不妊治療も進んでいるので子沢山の家が多いのだ、十人以上子供がいる家すらある程だ。
「四人連続で女の子ってね」
「そうよね」
 三姉のベスはトランプを手にしつつジョーに応えた。
「言われてみれば」
「半分の可能性かね」
「産み分けよね」
「それでね」
 産み分けの技術を使ってもというのだ。
「途中一人位ね」
「男の子いるわね」
「そうなるけれど」
 それでもというのだ。
「それがね」
「四人続けて女の子は」
「ちょっとね」
 これはというのだ。
「ないわね」
「そうよね」
「それでね」
「四人に順番に若草物語の名前とか」
「ちょっとね」
 これはというのだ。
「ないわよ」
「そうよね、奇跡みたいよね」
 ベスは妹達のやりとりを聞いて言った。
「言われてみれば」
「普通狙っても出来ないわよ」
 ジョーも言ってきた。
「ちょっとね」
「そうよね」
「そしてね」
 それにとだ、メグはさらに話した。
「今もこうして一緒に暮らしてるとか」
「確か若草物語って」
 ベスはここでこんなことを言った。
「ベスが死ぬのよね」
「そうよ」
 その通りだとだ、ジョーがベスに答えた。
「病気でね」
「そうよね」
「原作ではね」
 オルコットが書いたそれではというのだ。
「そうなるのよ」
「私としてはね」 
 ベスは自分の名前とそして三女であることから話した。
「それが嫌だけれど」
「死ぬのは原作で」
 それでとだ、ジョーはどうかといった顔になった自分から見て上の妹にあたる彼女に対して話した。 
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