八条学園騒動記
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第五百四十七話 酔い過ぎてその十
「連合の中でも」
「言われるな」
「あれでしょ、エウロパで」
エウロパ戦役の時にというのだ。
「韓国人の軍人さんが一番食べたのよね」
「向こうがそう言ってるらしいな」
「もう滅茶苦茶食べて」
それでというのだ。
「しかも味付けもね」
「エウロパの料理にな」
連合から見れば味がないという程味付けが薄いこの国の料理全体だ。
「コチュジャンとかこれでもかとかけてな」
「食べてたのよね」
「そうだったからな」
それでというのだ。
「言われていたな」
「そうなのね」
「ああ、ただな」
「ただ?」
「食い方はな」
それはとだ、洪童はゲームを続けつつ話した。
「それ位それぞれだからな」
「あれこれ言われてもね」
「気にしていられるか」
「そうよね」
「というかエウロパの料理って味ないんだよな」
「連合軍の人達が言ってたのよね」
それで連合の中でもかなり話題になっているのだ。
「まずくて食べられないって」
「そうらしいな」
「味ないってどんな味なのよ」
「想像がつかないな」
「そうよね」
どうもとだ、春香は兄に話した。
「本当に」
「どんな味なんだ」
「辛くないのよね」
「もう全然らしいな」
「しかも他の味も」
「ないらしいからな」
「何か」
春香は自分が聴いているエウロパ料理の話をさらにした。
「素材を大事にしてるのよね」
「向こうが言うにはな」
「それで味がないのよね」
「調味料や香辛料をあまり使わないらしいな」
「じゃあ大蒜や唐辛子も」
「使ってもな」
エウロパではイタリア料理やスペイン料理でよく使う。
「それでもな」
「多くないのね」
「だから味しないらしいんだよ」
「そういうことね」
「スパゲティとかな」
洪童はこの料理もよく食べる、トマトを使ったものが好きだ。
「それこそな」
「スパゲティは大蒜欠かせないでしょ」
「オリーブオイルとな」
「唐辛子も使うし」
「それでもな」
そうしたものを使ってもというのだ。
「さしてな」
「使ってなくてな」
それでというのだ。
「あまりらしいんだよ」
「味がしないのね」
「コシはわからないけれどな」
こちらはというのだ。
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