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八条学園騒動記

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第五百四十七話 酔い過ぎてその八

「だからね」
「俺もシャワー浴びたらか」
「それで歯を磨いたらね」
 そこまですればというのだ。
「寝たらいいわ」
「それじゃあな」
 洪童は妹の言葉に頷いた、そしてだった。
 今度は彼がシャワーを浴びた、その時に風呂場の中で歯も磨いて身体を完全に奇麗にしてからだった。
 そのうえで自分のベッドに入って寝た、だが。
 五時前に起きた、起きた理由は喉があまりにも渇いていたからだ。
 二日酔いではなかったがそのせいでだった。
 台所に出て水を何杯も飲んだ、それでまだ登校にはかなり早いのでリビングでゲームをしようとしていると。
 春香も起きてきた、そうして兄の姿を見て言ってきた。
「早いわね」
「お前もな」
「喉が渇いてね」
 それでとだ、春香は洪童に話した。
「それで起きたのよ」
「俺と同じだな」
「もう喉カラカラよ」
 春香はこう言いながら水道から水を出してそれをコップに入れて飲んだ、この飲み方は洪童と同じだった。
 そして何杯も飲んでから兄にこう言った。
「二日酔いじゃないけれど」
「俺もだよ」
「けれどね」
「喉渇いたよな」
「昨日チゲ鍋食べて」
 辛いこの鍋をというのだ。
「飲んだからね」
「そうするとな」
「やっぱり朝喉渇くわね」
「どうしてもな」
「それで起きたら」
 そうすればというのだ。
「兄さんがいたのよ」
「そういうことか」
「いや、早く置き過ぎたわ」
 春香はこうも言った。
「私も学校の時間までゲームしようかしら」
「風呂には入らないんだな」
「だって夜にシャワー浴びて」
 それで身体は奇麗でというのだ。
「二日酔いでもないから」
「入らないか」
「そうするわ」
「そうか、しかしな」
「しかし?」
「凄い顔だな」
 洪童はソファーに座ったうえで妹の方に顔を向けて彼女の顔を見て言った。
「これはまた」
「どんな顔してるの?私」
「ゾンビみたいな顔してるよ」
「そう言うの」
「ああ、顔色はそのままでもな」
 普段と変わりないがというのだ。
「表情がな」
「ゾンビなのね」
「髪の毛もな」
 こちらもというのだ。
「服もな」
「ああ、そういえばジャージもね」
 春香は自分の身体もっといえばそれを覆っている上下共にピンクの寝間着兼普段着のジャージを見て話した。
「凄いわね」
「値崩れていてな」
「酷いことになってるわね」
「それこそ色気なんてな」
「欠片もないわね」
「酷いものだぞ」
「そうね、自分でも思うわ」
 こう兄に答えた。 
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