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八条学園騒動記

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第五百四十七話 酔い過ぎてその五

「金髪よね」
「ああ、ヘンリー=オコーナーな」
 洪童は俳優の名前を出した。
「あの人な」
「金髪よね」
「それで目が青いんだよ」
「金さんって漢字だと黄金になるから」
「金髪でか」
「合ってるわね」
「金髪のちょん髷でな」
 この時代では普通のことだ。
「それでっていうんだな」
「丁度いいわね」
「金さんにか」
「そう思ったけれど」
「実際にそうだよな」
 洪童もその通りだと答えた。
「それだとな」
「そうよね」
「ああ、面白いな」
「そうよね」
「金さんも昔は黒い髪の人ばかりだったけれどな」
「だって日本の時代劇なら」
 それならとだ、洪童も答えた。
「日本で製作されて」
「日本人が演じるからな」
「それだとね」
「黒髪だな」
「日本人は元々アジア系だから」
 今は混血が進んでいて純粋なアジア系という者も少数派になっている、どの民族も混血がかなり進んでいる。
「髪の毛の色は大抵そうでね」
「だから昔の金さんは」
 二十世紀の頃はだ。
「黒髪でな」
「アジア系だったのよ」
「本来そうだしな」
 実在の金さん、遠山金四郎もというのだ。
「日本人だからな」
「そうよね」
「けれどな」
「今上演したら」
「もう国籍は日本でもな」
「普通にコーカロイドの人いるし」
 白人のことである。
「ニグロイドの人もね」
「だから前の金さん黒人だっただろ」
「確かホス=ベベだったわね」
「今特撮の司令やってるよ」
「そっちの役ね」
「ああ、金さんの次はな」
 そちらの役で出演しているというのだ。
「あの人の桜吹雪出すのよかったぜ」
「金さんの定番よね」
「桜吹雪ないとな」
 それこそというのだ。
「もうな」
「金さんじゃないから」
「今の人だってな」
 そのオコーナーという役者もというのだ。
「いいけれどな」
「ベベさんの方がいいのね」
「俺としてはな、筋肉質でな」
「強そうで」
「実際に殺陣も恰好よくてな」
 このこともあってというのだ。
「本当にな」
「いいのね」
「ああ、ただ今の金さんはお裁き言う時がいいんだよ」 
 悪人達に桜吹雪を見せた後の場面がというのだ。
「お白洲で金さん桜吹雪見せるよな」
「そうそう、見せ場だからね」
「それでな」
「その後で観念した悪人達にね」
「お裁き言うけれどな」
「その場面がいいのね」
「だからな」
 それでというのだ。 
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