八条学園騒動記
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第五百四十七話 酔い過ぎてその四
「やっぱり」
「今一つな返事ね」
「だってな、三千年以上前の人だからな」
「詳しいことはわからないのね」
「写真ないしな」
ある筈のないものである。
「だからな」
「そこははっきりしないのね」
「だからこう言うな」
「多分なのね」
「ああ、けれど本当にあの人の制服姿はな」
クレオパトラの最初の結婚をした十八歳がこの時代でも女子高生の年齢であることから考えて言うののだった。
「想像出来ないな」
「そうよね」
「想像出来ることは出来ても」
「ミスマッチね」
「洒落になってない位のな」
「本当にOLさんのコスプレだな」
かなり無理をしたそれだというのだ。
「それだと」
「本当にね」
「考えてみたらな、まあとにかくそのクレオパトラさんがな」
十八歳の彼女がというのだ。
「十歳の実の弟と結婚とかな」
「物凄いっていうのね」
「そうした漫画とかゲームとかアニメの話だな」
「詳しくない?」
「そうか?普通だろ」
「そう思ったけれど」
今は兄を怪しむ目で見ている、何故そうした話でその手の漫画やゲームやアニメを連想出来たかと考えてだ。
「そういうゲームとかしたことあるの」
「聞くなよ、それ」
「あるってことね」
「だから聞くなよ、とにかくな」
洪童はとりあえず自分にとって厄介なことは誤魔化すことにして話した。
「そうした話はな」
「実の姉弟で相手が八歳年下とか」
「危ないな」
「兄さんとしては思うのね」
「そうな、相当にな」
まさにというのだ。
「思ったよ」
「そうなのね」
「ああ、本当にな」
実にと言うのだった。
「凄い話だな」
「これはぐっとくる?」
「いや、ぐっとくる以前にな」
さらにと言うのだった。
「危な過ぎてな」
「そう感じてなの」
「かなり引くな」
「そうなのね」
「ああ、本当にな」
それはと言うのだった。
「そう思うよ。とにかく家族にそうした感情はな」
「兄さんは持たないのね」
「全くな」
「そうなのね」
「それでそれはお前もだよな」
「全く、兄さんは兄さんよ」
春香は泥酔寸前の顔で答えた。
「それ以外の何でもないわ」
「そうだよな」
「じゃあ覗かないわね」
「安心しろ、じゃあな」
「シャワー先に浴びてくるわね」
「そうしろ、それでな」
洪童は春香にテレビを観つつ話した。
「俺はちょっとテレビ観てるな」
「何観るの?」
「日本の時代劇だよ」
これだというのだ。
「これ観るからな」
「そうするのね」
「遠山の金さんな」
「そういえば今の金さんって」
春香はシャワーを浴びる用意をしつつ兄に応えた。
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