八条学園騒動記
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第五百四十七話 酔い過ぎてその三
「架空でな」
「現実の妹とは違う」
「そうだよ、誰がそんな気起こすか」
洪童は言い切った。
「空が二つに割れてもな」
「韓国の諺出したわね」
例え何があろうと、という意味の言葉だ。この国にも言語がありそして諺もしっかりと存在しているのだ。
「ここで」
「だから本当に何があってもな」
「そんな気はっていうのね」
「普通の人は起こさないだろ」
「それで起こるのは」
「おかしいんだよ」
洪童は言い切った。
「俺からしみてみるとな」
「そうなのね」
「ああ、ただな」
「ただ?」
「世の中そんな人もいるんだな」
「みたいね、結婚することもね」
春香はかなり酔った洪童から見れば色気のない顔で述べた。
「昔はあったし」
「昔って何時の何処だよ」
「古代エジプトよ」
「ああ、ファラオか」
「クレオパトラもそうだったじゃない」
あの美貌で有名な女王もというのだ。
「最初十八歳でね」
「当時はその年頃で結婚していたな」
「十歳の弟さんとね」
「その歳ではないな」
洪童はこうも言った。
「流石に」
「十歳で結婚はね」
「それはないな」
「そうよね」
「無茶苦茶だな」
「まあ形式にしてもね」
「それでもな」
十歳での結婚はというのだ。
「かなりいやらしいな」
「あっ、そこでそう言うの?」
「だってな、実のお姉さんだろ」
クレオパトラ、妻である彼女はというのだ。
「しかも十八歳だろ」
「今で言うと女子高生よね」
「ああ、学校によっては制服着てるな」
「クレオパトラさんの制服姿ね」
春香は自分が想像するクレオパトラ、黒髪を奇麗におかっぱに切り揃え奇麗なメイクをした切れ長の黒い瞳の鼻の高い妖艶な美女が女子高生の制服を着ている姿を想像してみた。そのうえで兄に対して言った。
「凄まじく似合ってないわね」
「何か想像したか?」
「だからクレオパトラさんの制服姿」
「女子高生のか」
「ええ、どうかしら」
「何かな」
洪童も想像してみた、女王の姿は妹のそれと同じだった。
それで身にスカートにブレザーの制服姿だった、尚春香はセーラー服だった。だがそのブレz-ア姿もだ。
「OLさんがな」
「無理してよね」
「女子高生になってるな」
「そんな感じよね」
「全く似合ってないな」
「そうでしょ」
「下手したら人妻さんのコスプレか」
洪童はこうも言った。
「本当にな」
「似合ってないわね」
「あの人胸大きいってイメージあるしな」
「実際に大きかったの?」
「そうじゃないか?」
洪童は曖昧な返事で答えた。
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