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ヘタリア大帝国

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TURN27 人類統合組織ソビエトその一

                          TURN27  人類統合組織ソビエト
 ロシアの家にだ。ソビエトを構成する国々が集っていた。
 広くがっしりとした構造で壁はかなり厚い。窓や扉は三重になっていて寒さへの対策も万全だ。
 暖房により暖かくなっている大きな部屋の中でだ。ロシアはリトアニアにこんなことを言っていた。
「この前の連合の皆との会議だけれどね」
「どうでした?あの会議は」
「うん。皆元気そうだったよ」
 闇のない子供っぽい笑顔で言うロシアだった。
「フランスさんも元気そうだったよ」
「ロシアさんとフランスさんは昔から仲がいいですからね」
「そうだよ。いい人だよ」
「では他の人達とは・・・・・・いえ何も」
 言った傍からだ。リトアニアは己の言葉を引っ込めた。
「何もないです」
「他の皆は。まあ元気だったよ」
 他の三人にはこう言うだけのロシアだった。
「そうだったよ」
「そうですか」
「後、席が一つ空いていたよ」
「席が一つですか」
「五人の筈なのに椅子は六つあったんだ」
「それはまたおかしなことですね」
 リトアニアもカナダのことは気付かない。それでロシアの言葉にも首を捻るのだった。
「誰かが間違えたんでしょうか」
「妹達は妹達で仲良くやってたしね」
 兄達とは違い妹達は和気藹々としている。連合では特に。
「本当に誰だったのかな」
「おかしな話もありますね、本当に」
「全くだよ。ところでリトアニアは今ここにいるけれど」
「はい、他の皆ですね」
「ラトビアや姉さん達はまだかな」
「もうすぐだと思いますが」
 このロシアの家に来るというのだ。
 だがここで窓の外を見てだ。リトアニアはこうロシアに話した。
「ただ。この雪ですから」
「遅れてるのかな」
「そうだと思います」
「寒いのって嫌だよね」
 寒さについてはだ。ロシアは暗い顔で述べた。
「ずっと僕の家って寒いけれど」
「雪の氷に」
「暖かいところで暮らしたいよ」
 いささか俯いての言葉だった。大柄な身体が今は少しだけ小さく見える。
「もっとね。キューバ君のお家みたいなところで」
「キューバですか。いいですね」
「だから本当はイタリア君達とも仲良くなりたいんだ」
 イタリアの気候のよさはロシアにおいても知られている。それもかなり。
「枢軸だけれどね」
「イタリア君達ですか。俺もあの二人は好きですけれど」
「けれどって?」
「ポーランドが。イタリア君と昔から凄く仲がいいんですよ」
 オーストリアの家にいた関係でだ。二人は付き合いがあったのだ。そしてその縁で二人は今も会うと笑顔で話をし合う程仲がいいのである。
「それがちょっと」
「そうなんだ。とにかく僕イタリア君達も嫌いじゃないから」
 あとはオーストリアもだ。ロシアの好き嫌いははっきりしている。
「皆一緒に同じお家で住めればいいのにね」
「ソビエトで、ですね」
「あっ、イギリス君いらないから」
 彼は嫌いなのだった。
「あと太平洋のあの三人も」
「日本さん達もですか」
「アメリカ君に中国君もね」
「あの、日本さんは枢軸ですが」
 それでもだとだ。リトアニアは少し苦笑いになってロシアに話した。
「イギリスさんもですが後のお二人は」
「連合だよね」
「ですからその」
「うん、まあ仕方ないね」
 何が仕方ないかというとだった。それは。
「けれど一時的なものだからね」
「ではこの戦争の後では」
「彼等と戦うことになるかな」
 ロシアはこの戦争の先を見ていた。そうした話をリトアニアとしているとだ。ロシアの家の重厚な、しかも三重になっている扉が開いた。そしてそこから。
 ラトビアにエストニア、ウクライナにベラルーシが入って来た。まずは軍服、ソビエトの赤い軍服を着ているとはいえ巨大なウクライナの胸が揺れた。
 そしてその胸を揺らしながらだ。彼女はこう他の国に言った。
「本当に凄い雪よね」
「はい、今日は特に凄いですね」
「スノーさん元気ですね」
「何でロシアちゃんのお家ってこんなに寒いのかな」
 ウクライナはこのことがかえって不思議だった。それでラトビアとエストニアにも言ったのである。
 
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