夢幻水滸伝
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第百十九話 中立条約締結その十二
「一緒になるわ」
「そやな、その時は仲間同士でもある」
「楽しくやろな」
「覇権握るのはこっちやが」
羅は笑ってこのことは確実とした、だがここで彼が言いたいことはそのことではなくこう言うのだった。
「そこからな」
「ああ、この世界を救う為にな」
「一緒にやってこな」
「そうしよな」
「さて、祖国に戻って」
トウェインはそれからのことを考えていた。
「まずはステーキ食うか」
「それか」
「やっぱりそれやろ」
中里にも笑って返した。
「食うのは」
「お握りみたいに言うな」
「アメリカでお握りになるのはサンドイッチでな」
「それでか」
「そや、ステーキは言うなら焼き魚や」
「そうなるか」
「日本では美味しいもん一杯ご馳走になったけどな」
それでもというのだ。
「アメリカのあの噛みがいのあるステーキはなかったからな」
「あの食感もええんや」
メルヴィルも言ってきた。
「アメリカのステーキのな」
「日本のステーキとまたちゃうか」
「霜降りのあれやな」
「あれは確かにめっちゃ美味い」
メルヴィルも認めることだった。
「そやけどやっぱりアメリカのとはちゃうからな」
「ステーキもその国それぞれやしな」
芥川もこう言った。
「やっぱり国によってちゃうわ」
「日本とアメリカでもやな」
「そや、こっちの世界でもな」
芥川は中里にこう話した。
「やっぱりな」
「違っててか」
「欧州各国でもそれぞれちゃう、イギリスのステーキは」
「まずいんか」
「焼き過ぎやったりする」
「折角のお肉をか」
「そうやったりするしな、お肉の種類もちゃうやろ」
これは同じ牛肉でもだ。
「サーロインとヒレでもな」
「確かにちゃうな」
「そやからな」
「一口にステーキ言うてもか」
「国によってちゃうし」
それにというのだ。
「肉の種類、ソース、焼き加減でな」
「色々ちゃうか」
「そうなるわ、そやからアメリカのステーキもな」
「日本のとちゃうな」
「これまたな」
そうなるというのだ。
「それでここでもそうした話になってるんや」
「そういうことやな、そういえば日本でもすき焼きでもちゃうな」
「そやろ、関西と関東でもちゃうし」
「入れる肉もちゃうとな」
「また違ってくるやろ」
「そやな、よおわかったわ」
「そういうことでな、ほなこれでな」
芥川はあらためて笑って話した。
「一時のお別れやな」
「そういうことやな」
中里も笑って応えた、そしてだった。
各勢力の星の者達は日本の星の者達と手を振って別れそれぞれの空船に乗って戻っていった、その空船達を見送ってから。
綾乃は中里と芥川にこう言った。
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