夢幻水滸伝
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第百十九話 中立条約締結その十一
「次は戦場で会おう」
「ああ、そこで再会といこうな」
「是非な」
リーは芥川を見据えて彼に答えた。
「そうしよう」
「その時が楽しみやな」
「敵同士であってもな」
「僕も自分等嫌いやないしな、むしろ好きや」
「それは私も同じだ」
リーも微笑んだ、そのうえでの言葉だった。
「君達のことは好きや」
「生真面目な顔で言うたな」
「悪いか」
「いや、嬉しいわ」
芥川はリーに微笑んで返した。
「そう言ってくれたら」
「そうか」
「ああ、それでやな」
「残念ながら暫く敵同士になるが」
それでもというのだ。
「その後はな」
「仲間になってな」
「共に世界を救う為に働こう」
「そうしよな」
「その時は頼むわ」
シェリルも言ってきた。
「こちらもね」
「ああ、お互いにな」
「仲間、友達としてね」
「両方の意味でやな」
「そうよ、もっとも友達であるのは」
このことはというと。
「今もそうね」
「そやな、僕等はもうな」
「友達ではあるわ」
「そうよね」
「起きた世界でもそやしな」
「そちらでも楽しくやりましょう」
「ああ、そっちの世界でもな」
「お互いにね」
「さて、あたい達はこれでお国に帰るけれど」
アレンカールは微笑んで話した。
「健康には気をつけてね」
「風邪とかひかん様にやな」
「いやいや、マラリアとか寄生虫とかによ」
アレンカールは中里に笑って返した。
「そっちによ」
「寄生虫ってあれか」
「中南米にはタチの悪い蠅もいてね」
「確かそいつが卵産み付けてやな」
「ええ、それで背中や手のところがミミズ腫れみたいになったりするけれど」
「そこにおるんやな」
「猫の鼻の穴の中にもいたりするわ」
この話はこの世界にもある、猫の小さな鼻の穴の何倍もの太さの幼虫を摘み出すのだ、お世辞にも見ていて気持ちのいい光景ではない。
「そういう方がね」
「風邪よりもやな」
「怖いのよね、特にアマゾンはね」
「凶悪なモンスターや獣であってやな」
「疫病や虫のこの世界最大の密集地帯でもあるから」
だからだというのだ。
「ほんまにね」
「いて辛い場所やな」
「あそこでの冒険は大変よ」
「サバイバルやな」
「文字通りのね」
「まあそうした話は置いておいてな」
施は笑って話に入ってきた。
「一時のお別れやな」
「それでその後でな」
「拳っていうか干戈を交えるな」
こう中里に話した。
「それからや」
「結果はどうあれな」
「またな」
再びというのだ。
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