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八条学園騒動記

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第五百四十五話 日本についてその七

「そういう感じで」
「もうやりたい放題でな」
「極悪な統治していたのよね」
「略奪とか人攫いの自由とかな」
「そのままやりたい放題よね」
「そんな風だったけれどな」
 モンゴルの高麗統治はあまりにも苛烈だったことでこの時代でも知られている。
「それでもな」
「そっちは言わないわよね」
「これといってな」
「それ不思議よね」
「もうそこまで非道な統治って」
 それこそとだ、ミーナは話した。
「エウロパの統治よね」
「帝国主義とかのな」
「そこまで非道な統治で」
「日本の統治なんてな」
「同じ人間として扱っていて」
「日本人と変わらなかったからな」
 その待遇もだ。
「それじゃあな」
「モンゴルの統治と比べたら」
「天国だったんだよ」
 そのレベルで違っていたというのだ。
「大学出来たし学校も沢山出来てな」
「道路に線路にダムに橋に堤防に」
「農地もちゃんとなってな」
「産業も興ってね」
「近代法も導入されて」
「お金も回って」
 李氏朝鮮は貨幣経済が浸透していなかったのだ。
「単位とかもよね」
「ああ、度量衡な」
「それも一つにまとまって」
「土地制度だってな」
 こちらもだったのだ。
「近代的になって」
「それで奴隷解放されて」
「皆平等になってな」
「ってことは」
「モンゴルの統治よりもな」
「全然平和でね」
「いい統治だよな」
 洪童はマッコリを飲みつつ言った。
「日本のそれの方が」
「モンゴルだと」
「大学とか作るどころかな」
「略奪と拉致ね」
「産業興すどころか奪ってたんだよ」
「全然違うわね」
「もう非道過ぎてな」
 宮廷にもモンゴル人がいて極めて横柄に振舞っていた、高麗王の王妃はモンゴルつまり元の皇族と定められたので彼等も宮中にいたのだ。
「高麗の方で泣いて止めてくれって言ったらしいな」
「略奪と拉致は」
「もう国がやっていけなくなるからな」
「物凄いことよね」
「自由に略奪されたらな」
 尚当時のモンゴルつまり遊牧民の間では略奪も産業であった。
「それで人も攫われたら」
「国がもたないわよね」
「ものも人もなくなるからな」
「そうよね」
「だからな」
「高麗の偉い人達もなのね」
「この二つは止めてくれってな」
 その様にというのだ。
「頼んでやっと止めてもらったらしいな」
「ある意味モンゴルらしい統治でも」
「当時のな」
 この時代のモンゴルは連合の中で人口は少ないが極めて有名な国であり素朴でおおらかな国民性と言われている。 
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