八条学園騒動記
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第五百四十五話 日本についてその二
「それならな」
「熱くなるわよね」
「韓国料理は大抵そうなるだろ」
食べていればというのだ。
「もうかなりな」
「そうよね、あとその娘犬鍋もね」
こちらもというのだ、連合では犬も食材の一つであり韓国料理では有名なものの一つだ。ただしメジャーな食材ではない。
「食べたことあるらしいのよ」
「中々の通か?」
「私もそう思ったけれど」
「チゲ鍋はか」
「そうらしいから」
「変わった娘だな」
洪童は思わずこうも言った。
「話を聞いてると」
「何でそこでチゲ鍋知らないのか」
「そのことはっていうのね」
「犬鍋まで知ってるんだよな」
「それで食べたこともあるのよ、蟹も」
こちらもというのだ。
「あの唐辛子と大蒜でね」
「思いきり辛くしたな」
「それをね」
まさにというのだ。
「食べたことがあるらしいけれど」
「それも食べててってな」
「余計にチゲ鍋が知らないことは」
「不思議だな」
「そうよね」
「ああ、本当にな」
それこそとだ、洪童はまた春香に話した。
「そう思ったよ」
「じゃあ今度その娘をね」
「食堂に連れて行ってか」
「チゲ鍋食べてもらうわ」
それをというのだ。
「是非ね」
「そうした方がいいな、もうチゲ鍋なんてな」
今二人が食べているそれはというのだ。
「韓国料理だとな」
「一番メジャーなのの一つよね」
「本当にな、これを食わないで」
それこそというのだ。
「韓国料理は語れない」
「それは言い過ぎでしょ」
「かなり誇張して言ったんだよ、それはキムチだよ」
韓国料理どころか韓国の代名詞とさえなっているこの食べものはというのだ、この時代でもそうなっているのだ。
「これ食わないでな」
「韓国料理は語れないわね」
「というか韓国がな」
洪童もこう言った。
「もうな」
「キムチがね」
「第一だよな」
「というかキムチがないと」
春香もこう言った。
「もうね」
「韓国はそれだけでマイナーになるな」
「あと焼き肉ね」
「それもあるわね」
「観光は色々あるけれどな」
「それでも韓国っていったら」
春香はビールを飲みつつ兄に応えた。
「やっぱりね」
「まずはキムチだな」
「そうよね、それでチゲ鍋にも入れる場合あるし」
「こうしてな」
ここで洪童は実際に鍋にキムチを入れた、そうしてそのうえで赤い鍋を見つつこうも言ったのだった。
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