八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二百五十三話 隅田川その十三
「幸せよ」
「それは何よりだね」
「ちなみに相手の子日本人よ」
「そうなんだ」
「同じ一年生のね」
「学生の時の交際ってね」
これはというと。
「同学年同士にね」
「なりやすいわね」
「やっぱりね」
どうしてもだ。
「顔をよく合わせるから」
「そのせいでよね」
「付き合う様になるよ」
同学年同士でだ。
「確かに先輩後輩でもあるけれど」
「そっちよりもね」
「同学年同士がね」
どうしてもだ。
「多いよ」
「そうよね」
「それでダオさんも」
「そういうことね、同学年でお話しやすかったし」
このこともあってというのだ。
「それでダオから声をかけて」
「積極的にだね」
「だからダオもね」
「ベトナムの女の子だから」
「しかも今に生きているのよ」
男女同権の時代にというのだ。
「それならよ」
「自分からだね」
「動いたのよ」
「話し掛けて」
「仲良くなってね」
「それでだね」
「そう、告白もね」
こちらもというのだ。
「したのよ」
「そしてそれがだね」
「ベトナムなのよ」
この国の女の人だというのだ。
「何度も言うけれど女の人が強い国だから」
「それでなのね」
「そう、だからね」
それでというのだ。
「ダオも動くの。そもそも振られても」
「いいんだ」
「また次の恋愛を見付ければいいのよ」
「そう思えるって凄いね」
僕は素直に思った、こうした風に。
「滅多に出来ないよ」
「そうなの?」
「やっぱり失恋ってね」
話を聞いているとだ。
「人と時と場合によるけれど地獄見るから」
「ああ、何か遠井さんって人よね」
「あの人本当に地獄見て」
そのうえでだ。
「一時期大変だったっていうから」
「あれは振った女もそいつの周りも酷くて」
「けしかけた元友人もだね」
「そんな連中元でも友達じゃないわよ」
「けしかけて自分達が立場悪くなると掌返して切り捨てるとか」
「そんなことする奴戦場だとね」
ダオさんは怒って話した。
「真っ先に戦友切り捨てて逃げるか」
「敵につくか」
「そんなことするから」
それでというのだ。
「絶対に信用出来ないわよ」
「そんな奴だね」
「その連中今徹底的に嫌われてるでしょ」
「誰からも嫌われてるよ」
自分が都合が悪くなって昨日まで友達と言っていた人を切り捨てる様な連中を人が見てどう思うか、自分もそうなると思うとだ。
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