八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二百五十三話 隅田川その十四
「下衆扱いされてるよ」
「やっぱりそうよね」
「そう、本当にね」
「屑だからね、そんな連中は戦場だと」
それこそというのだ。
「後ろから撃たれるわよ」
「川上哲治みたいに」
元巨人の選手で監督だ、何でも戦争中軍隊にいた時に階級が上の人にはへらへらして下の人にはえらくきつかったらしい。俳優の丹波哲郎さんが酷い目に遭って戦後あの時はどうとか謝られて人間の『本性』を見たと言っていたという。
「そうなるんだ」
「そうよ、そんな奴誰も嫌うわよ」
「それこそ」
「そう、その振った奴もね」
「最低だよね」
「そいつの周りの女友達もね」
「下校中校門で集団で待ち伏せして聞こえる様に悪口言うとか」
僕だったらこんなことされたらどうなるかわからない、大抵の人はトラウマになって人格が歪むだろう。
「そんなことするから」
「ダオだったらその場でそいつ等に挑みかかるわ」
「停学になってもだね」
「ええ、というか失恋してもね」
「まあダオさんみたいな人はね」
それこそだ。
「地獄は見ないだろうね、気にしないで次の恋に向かえる人なら」
「そうよね」
「大丈夫だよ」
「というか屑は身近にもいるのね」
「そうなんだ、酷い奴はね」
それこそだ。
「その辺りにもいたりするよ」
「そうよね」
「それでそんな奴を見付けたら」
「近寄らないことね」
「そういう奴は利用出来る人にはね」
そうした相手だと見ればだ。
「笑顔で近寄って来るけれど」
「その実は」
「そう、友情とか愛情とかないから」
そんないい感情はだ」
「自分だけしかなくてね」
「他の人を利用する」
「だから相手の状況が悪くなったら」
その瞬間にだ。
「裏切って攻撃したりもね」
「してくるのね」
「そんな奴と関わったら」
それ自体がだ。
「災難の元だから」
「というかその連中が告白したらって言ったのよね」
「そうだよ」
このことは学園中で知っている、遠井さんにはもう一人親友の人がいるけれどその人はけしかけなかったし遠井さんが辛い時もずっと傍にいてくれたし今もだ。
「それで自分達も言われだしたら」
「裏切って逃げたのね」
「そうなんだ」
「卑怯な話ね」
「全くだよね」
「今回の文化祭でも学校の中歩き回ってるわね」
「まあ皆見たら睨むか嫌そうな顔する連中だけれど」
その醜い行いが知られていてだ。
「まあね」
「ダオがその連中見たら」
「殴らないでね」
「睨むだけよ」
「それだけなんだ」
「もうね」
それこそという口調での返事だった。
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