八条学園騒動記
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第五百四十四話 ワインに酔いその十
「お風呂を何年に一回とか」
「ああ、そうだったのよね」
「それ位しか入らなかったから」
「とんでもなく不潔だったのよね」
「そうだったからね」
バロックやロココ期の話をするのだった。
「もうルイ十四世とか」
「お風呂入らなかったのね」
「立派な服を着て香水をつけていても」
これは当時の貴族のたしなみであった、ただしルイ十四世はおかしな医師の手術で歯を全部抜いていてしかもその失敗で鼻孔と口がつながってしまい口からは悪臭が漂い歯がない為噛めず慢性的な消化不良で下痢にも悩まされていて服はいつも汚れそこからも悪臭が漂っているという状況に陥っていた。
「それじゃあね」
「本末転倒よね」
「そんな汚さで」
「野蛮でね」
「そんなのだから」
それでというのだ。
「もう僕達のこととか」
「言えないわね」
「その筈なんだけれど」
「野蛮とか言ってくるのね」
「お店の食べものを食べ尽くしたとか」
先程の話をまたした。
「それにね」
「それに?」
「大学のキャンバスの中でバーベキュー焼いて」
「普通でしょ、それ」
「そこで派手に飲み食いしたとかで」
「だからそれ普通でしょ」
「けれどね」
連合では普通だが、というのだ。
「そうしたこともね」
「野蛮だって言われてるの」
「あっちじゃね」
「連合軍の人達がそうしたとかで」
「ちゃんと後片付けをしたけれど」
それでもというのだ。
「オックスフォードとかソルボンヌとかベルリンとか」
「そうした大学でなの」
「バーベキューを食べること自体が」
「野蛮だっていうの」
「想像も出来ないとかね」
「言ってたのね」
「そうなんだ」
ミーナにこのことも話した。
「どうもね」
「それはお高く止まってるだけでしょ」
ここまで聞いてだった、ミーナは述べた。
「ただ単に」
「僕もそう思うよ」
「許可は得ていたのよね」
「大学に入ることにね」
「じゃあいいじゃない」
「それがね」
「怒ったのね」
ミーナはここまで聞いて眉を顰めさせた。
「全く、何ていうか」
「自分達はどうなんだ」
「そんなお話よね」
「うん、けれどね」
「向こうはそう言ってるのね」
「そうなんだ」
「後片付けしないのなら駄目だけれど」
その場合はrというのだ。
「けれどね」
「ちゃんとしてるっていうから」
「だったらね」
「何の問題もないでしょ」
「それがなんだ」
「オックスフォードとかの大学だと」
「そう言って怒ってるんだ」
そうしたエウロパの名門大学達がというのだ。
「ボローニャ大学でもね」
「ボローニャってイタリアよね」
「あそこの大学もね」
「小さいわね」
ミーナはこうも言った。
「それはまた」
「そうだよね、もうね」
「大学でバーベキューとか」
「連合じゃ普通だし」
「許可が出たら」
それでというのだ。
「もうね」
「何の問題もない」
「その筈なのに」
「それがね」
エウロパではというのだ。
「そう言うんだ」
「成程ね」
「馬鹿なお話だね」
「そうよ、大学の中でパーティーとか」
「普通だよね」
「そんなのね」
ミーナもこう返した。
「普通じゃない」
「それをどうこう言うとか」
「野蛮とかね」
「間違ってるよ」
「全くよね」
「自分達の方がずっと野蛮なのに」
「歴史的にそうなのに」
ここでも歴史のことを話した。
「本当にね」
「おかしなお話よね」
「全く以て」
二人でこうした話をして朝食を楽しんだ、その後は歯を磨いて登校した。二人共心地よく登校することが出来た。
ワインに酔い 完
2019・10・16
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