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八条学園騒動記

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第五百四十四話 ワインに酔いその三

「いいんだよ、しかも美味しいし食べやすい」
「余計にいいわね」
「しかも栄養もあるから」
「牛乳も入れるから」
「余計にいいね、ちなみにこのオートミールも」
 ポルフィは笑ってこうも話した。
「エウロパのお料理だから」
「昨日の夜のハンバーグと同じで」
「そうだからね」
「イギリスのお料理?」
「どうだったかな」
 ポルフィはオートミールの起源は知らず首を傾げさせつつ答えた。
「それは」
「わからないの」
「それはね」
 特にという返事だった。
「ちょっとね」
「エウロパじゃ何処でも食べてるもの?」
「パンと一緒だからね」
 オートミールはというのだ。
「これは」
「ああ、麦だから」
「そう、だからね」
 ポルフィはオートミールを作っている鍋の中に牛乳を入れつつ水分を摂ってからテーブルに座る妹に話した。
「パンと同じだよ」
「そうよね」
「ただパンは古代メソポタミア起源で」
「オートミールは?」
「同じじゃないかな」
 かなり曖昧な返事だった。
「牛乳を入れるかどうかはともかく」
「入れてなかったかも知れないの」
「そうしたお粥もあったと思うし」
 やはり曖昧な返事だった。
「ビールの原型だしね」
「ああ、ビールもあっちだったわね」
「古代メソポタミア起源でね」
「それでよね」
「お粥がどろどろになって発酵して」
 そうなってというのだ。
「出来たのがお酒で」
「ビールもね」
「そうしたものだから」
 それでというのだ。
「だから」
「お粥はその頃からあったのね」
「麦のね」
「そういうことなの」
「中国でも」
 ポルフィは今度はこの国の話をした。
「大昔からあるよ」
「そうなのね」
「三国時代でもお粥だったし」
 中国の歴史の中でも特に有名なこの時代でもというのだ。
「稗や粟のね」
「麦じゃないの」
「麦のお粥もあったけれど」
「稗や粟のもなの」
「あったんだ」
 当時の中国にはというのだ。
「それでお粥からね」
「お酒を造っていたのね」
「そうだったんだ、インドでもあって」
「マウリアね」
「そこではお釈迦様がお布施で」
 それでというのだ。
「牛乳が入ったお粥を食べていたよ」
「その時からお粥に牛乳入れてたの」
「インド、マウリアでは当時からお米だったけれど」
「もうお粥に牛乳入れるのは」
「オートミールにしても」
 それでもというのだ。 
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