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八条学園騒動記

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第五百四十四話 ワインに酔いその二

「今からね」
「お風呂に入って」
「すっきりしてくるわ」
「そうしたらいいよ、今のままだと」
 ポルフィが見てもだった、今のミーナは凄い顔だ。顔色も表情も非常に悪いのでまるでゾンビである。
「学校に行くなんて」
「絶対に無理よね」
「だからね」
「すっきりしてこいっていうのね」
「僕も入ってすっきりしたし」
「それじゃあね」
 今から風呂に入るとだ、ミーナは兄に答えた。そしてだった。
 彼が部屋を出るとすぐに服を脱いで風呂場に入った、そこでまず身体を洗ってから湯舟に入った。すると。
 酒が急激に抜けていくのがわかった、湯舟の中で身体がゾクゾクして頭も痛くなる。その中でだった。
 酒が抜けていった、一旦熱くなったので湯舟から出て冷たいシャワーを浴びても酒が抜けるのがわかった。
 四回程繰り返した時にはもう酒は完全に抜けていた、それでまた身体を洗って今度は髪の毛も洗ってだった。
 服を着てキッチンに出た、するとポルフィにこう言われた。
「今から作るね」
「オートミールね」
「うん、見たところ」
 ポルフィは妹の顔を見て言った。
「すっきりしたね」
「ええ、この通りね」
 実際にとだ、ミーナは兄に笑顔で答えた。
「完全復活よ」
「二日酔いって死にそうになるけれど」
「お酒が抜けたらね」
「完全に復活するからね」
「いいのよね」
「うん、じゃあ水分も摂って」
「そうそう、二日酔いの時は」
 二日酔いはアルコールが体内の水分を出させて頭に水分が不足したからなるものだ、ミーナは学校の授業で習ったことから応えた。
「水分もね」
「しっかり摂らないと駄目だよ」
「ましてやお風呂入ったし」
「かなり水分が出ているから」
 だからだというのだ。
「余計にね」
「水分摂らないと駄目ね」
「そう、だから」
 それでというのだ。
「水分もね」
「ええ、しっかり摂るから」
「さもないと」
 ポルフィはキッチンの中にいる。そこで鍋を出してその中に水を入れつつ話した。
「身体にもよくないから」
「そうよね」
「人間の体の三分の二は水分だよ」
「だから水分がないと」
「身体によくないから」
「だからよね」
「そう、お水飲んでね」
「そうするわね」
 ミーナはポルフィに応えてだった。 
 早速冷蔵庫を開けてその中にあるパック入りの紅茶を出した。
 その紅茶をカップで六杯程飲んで兄に言った。
「これで完全にね」
「大丈夫になったね」
「ええ、やっぱり飲んだらね」
「水分もちゃんと摂らないとね」
「よくないわね」
「そうだよ、じゃあ今から牛乳入れるから」
「速いわね」
「速く出来るのがね」
 それがというのだ。
「このオートミールのいいところだから」
「さっきお話したけれど」
「実際にすぐ出来るから」
 それでというのだ。 
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