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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百五十三話 隅田川その三

「ダオ達もね」
「歌ってるんだね」
「ええ、けれど今回の文化祭では」
「幕末に維新だと」
「そちらがテーマの曲を歌いたいから」
 合唱部にしてもというのだ。
「部長さんも悩んだけれど」
「それで墨田川とか箱根八里とか」
「そういう歌を選んだのよ」
「そうなんだね」
「そして選んだら」
 これがとだ、ダオさんは僕に笑って話してくれた。
「どれもいい曲ね」
「うん、滝廉太郎の曲はね」
 実際にとだ、僕も笑顔になってダオさんに話した。
「名曲揃いなんだよね」
「そうよね」
「その二曲といいね」
「他の曲もなのね」
「名曲が多いんだ、ただね」
「あっ、確か滝廉太郎さんって」
 どうかとだ、ダオさんも知っていて話した。
「若くしてね」
「結核でね」
 当時はよくある病気だった、これでだ。
「亡くなったんだ」
「そうよね、残念よね」
「幕末から明治ってね」
 この頃の日本はだ僕はこの頃の日本の病気について紹介して説明していたクラスのことを思い出しながらダオさんに話した。
「本当にね」
「結核で死んだ人多かったのよね」
「それで脚気と梅毒でもね」
 この二つの病気でもだ。
「死ぬ人が多かったんだ」
「癌よりもよね」
「癌は当時もあってね」
「助からなかったのね」
「けれどこの三つの病気の方がね」
 今は国全体の悩みとなっている癌よりもだ。
「問題でね」
「死んだ人も多かったのね」
「そうだったんだ、それで」
「結核で死ぬ人が多かったのね」
「幕末だと高杉晋作さんや沖田総司さんで」
「明治だと滝廉太郎さんなのね」
「維新の人じゃないけれどお札にもなってる」
 僕はその人のことをダオさんにこのことから話した。
「樋口一葉さんもね」
「結核で亡くなってるの」
「そうだったんだ」
「本当に結核で死んだ人多かったのね」
「そうだよ、滝廉太郎さんは二十代前半だったけれど」
 それでもだった。
「結核でね」
「本当に若くしてだったのね」
「亡くなったんだ」
「あれだけ名曲を作る人だったのに」
「残念だよね」
「長生きしていたら」
 どうだったかとだ、ダオさんは本当に残念そうに話した。
「そう思うわ」
「そうだよね」
「けれど残った曲は」
「今も歌われているんだ」
「そうよね」
「だからね」
 僕はダオさんにさらに話した。
「余計に残念に思うよ」
「もっと長く生きていたら」
「あの時代の人に多いけれど」
 もっと長く生きていてくれたらと思う人はだ。
「高杉晋作さんは微妙かも知れないけれど」
「どうしてなの?高杉さんは」
「うん、暴れん坊でお金の使い方も荒くて」
 藩のお金をどうかという理由で多く使ったこともある、そうしたところにはルーズな人だったみたいだ。 
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