夢幻水滸伝
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第百十七話 枢軸の者達の素顔その二
「やはりな」
「私等は学生やしな」
起きた世界のことについてはだ、シャーデーもこう答えた。
「それでな」
「どうしてもな」
「そや、ほんまにな」
「お金がないしだ」
「学生、高校生が入るお店やないっていうのが」
「日本の考えだ」
まさにというのだ。
「格というかな」
「それを重んじる文化やな」
「それがあるからな」
「私等学生が例えお金を持ってても」
尚シャーデー達は持っていない、シャーデーは南アフリカのごく普通の家の出で親が八条グループの関連企業で働いている縁で留学している。シータはそれなりの資産がある家というかカーストの出だがそれでも寿司となると無理だ。
「あかんからな」
「働いていてな」
「それなりの年齢やないとな」
「こうしたお店の寿司はな」
「あかんわ」
「それが日本だな」
シータは今度は鳥貝を食べつつ言った。
「そうした考えがある」
「お金の問題やない」
「格もだな」
「年齢のそれがある」
「そうだな、だが」
ここでヴァイドはこう言った。
「階級はないな」
「ああ、インド独特のやな」
「カーストがな」
「それはないで」
シャーデーもそれはと答えた。
「日本ではな」
「そうだな」
「こっちの世界の日本でもな」
「江戸時代までは階級があったがな」
「士農工商やな」
「それがあったな」
「そやけどこの世界ではな」
この世界の日本ではというのだ、あくまで。
「そうしたことはな」
「ないか」
「そうか、それで格があってもな」
それがあることは事実でもというのだ。
「階級、カーストはないからな」
「そこは気兼ねなくだな」
「入ってええからな」
「それは有り難いな」
「というかインドはこっちの世界でもカーストあるんやな」
ゴーディマーはどうかという顔で述べた、赤貝を食べつつ。
「ややこしいな」
「ややこしくはない、職業分化や社会秩序の形成にもなっている」
ヴァイドは鮭を食べつつゴーディマーに冷静な声で答えた。
「悪かというとだ」
「そうでもないか」
「そうだ、色々問題はあるがな」
それでもというのだ。
「悪かというとな」
「そうでもないか」
「一概に善悪で世の中は言えないだろう」
カーストだけでなくというのだ。
「そうだな」
「そやな、私等かて世界を救うのが目的やけど」
こはだを食べながらだった、シャーデーはヴァイドのその言葉に頷いた。
「それは責務でもな」
「この世界は今は調和の時代でだ」
「それを守るだけか」
「破壊の時代が来ればだ」
その時はというのだ。
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