夢幻水滸伝
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第百十七話 枢軸の者達の素顔その一
第百十七話 枢軸の者達の素顔
ゴーディマーは今インドの二人の星の者達と対していた、シャーデーも一緒だ。いる場所は寿司屋である。
そこで寿司を食べつつだ、インドの二人の星の者達に尋ねた。今は四人でカウンターに並んで座っている。
「美味いか」
「美味い」
見事な長い青の髪の毛の吸血鬼の女が答えた、白いズボンの詰襟の軍服に太腿までのシルバーのブーツにブーツと同じ色のマントを羽織り頭には白に銀の飾りがある制帽を被っている。白い肌に赤い目が目立つ整った細面である。
天傷星シータ=サーヘニーである、インド出身で職業は魔法戦士だ。インドの武の双璧の片方とされ今は枢軸の将の一人だ。そのシータはトロの握りを食いつつゴーディマーに答えたのだ。
「実にな」
「ここはわしの好きなお店でな」
「平城京に来てそうなったな」
「そや」
その通りだとだ、ゴーディマーは答えた。
「海音寺に誘われて入ってな」
「彼女にか」
「するとこの味でな」
「お気に入りの店となったか」
「寿司自体がな」
この料理自体もというのだ。
「好きになってな」
「それで今日は」
「自分等を案内した訳や」
こうシータに話した。
「所謂接待や」
「そうか」
「そや、それで美味いんやったらな」
「いいというのだな」
「こっちもな」
「寿司はいいな」
今度は二メートルを超える大柄な身体に鎧を身にまとった男が言った、黒いマントに服が鎧の下から見える。黒い肌に白い髪の毛がコントラストを見せている。彫の深い顔が実に印象的だ。
天孤星ムンシー=ヴァイドだ。種族はフランケンで職業はアーマーナイトだ。インドの武の双璧のもう一方であり今は枢軸の将の一人である。
「来日してはじめて食した時もな」
「よかったか」
「インドにないものだ」
寿司はというのだ、
「こうした料理はな」
「和食の中でもな」
「日本独自のものでだ」
「美味いな、わしもや」
ゴーディマーはハマチを食べつつ言った。
「お寿司は大好きや」
「私もや」
シャーデーも言ってきた、見れば彼女が食べているのは鰻である。
「この味がええわ」
「お酢とお砂糖の利いたご飯にな」
「ネタもあって」
「ええ味や」
「ほんまにな」
「私も同じ意見だ」
ヴァイドは今度は卵を食べつつ応えた。
「寿司はいい食べものや」
「日本人がええって言うだけあるな」
「そう思う」
こうシャーデーに答えた。
「実にな」
「そやな、ほなな」
「今はだな」
「お寿司どんどん食べてな」
シャーデ―は二人に笑って話した。
「その為に呼んだんやしな」
「接待でだな」
「日本風に言うとな」
「それでこうしたものを食べられるとはな」
シータはここで酒を飲んだ、日本酒である。
その日本酒を飲みつつだ、シャーデーに言ったのだ。
「嬉しいことだ、だが」
「だが、どないした」
「こうしたお店に起きた世界では行けないな」
シータはこのことは少し残念そうに述べた。
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