八条学園騒動記
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第五百四十三話 目玉焼きとハンバーグその十
「略奪と殺戮ばかりの」
「うん、悪名高きね」
「あの連中みたいだって言ってたの」
「そうみたいだよ」
「軍人さん達は確かに食べるけれど」
肉体労働だ、これは当然のことだ。
「それでも」
「そんなね、レスラーの人とかと比べたら」
「全然よね」
「それでもあっちはそう言ってたんだ」
「野蛮人みたいに食べるって」
「バイキングみたいにね」
「心外ね、けれど味が違って量も少ないなら」
それならとだ、ミーナはハンバーグをフォ―クで口の中に入れつつ兄に話した。
「もうね」
「別に食べたくないよね」
「私としてはね」
実際にとだ、ミーナは答えた。
「そう思ったわ」
「それは僕もだよ」
「同じハンバーグでもね」
「量が少なくて味もね」
「エウロパの味付けって凄く薄いのよね」
「もう鯵がないっていう位で」
連合から見ればだ。
「それ位で」
「それならね」
「食べたいと思えないね」
「私としてはね」
「僕もだよ、やっぱり連合の味付けが」
これがというのだ。
「いいね」
「そうよね」
「まあ流石に卵の味が違うとか」
「それはないわよね」
「鶏の種類もね」
「変わらないわよね」
流石にとだ、ミーナも話した。
「鶏の種類も」
「基本的にね、どっちにしかいない種類はあるけれど」
それでもというのだ。
「基本的な種類は同じだよ」
「そうよね」
「それでね」
ポルフィはさらに話した。
「卵の味はね」
「やっぱり同じよね」
「そうだよ」
「だったらね」
それならとだ、ミーナはあらためて話した。
「目玉焼きも」
「まあ焦がさない限りは」
「味が変わらないわね」
「そうだよね」
「そこまで違ったら」
流石にと言うのだった。
「もう異次元だよ」
「異世界とか?」
「連合とエウロパってそこまで違うらしいけれど」
異世界と言っていいまでにだ、実際に連合とエウロパではそこまで違っている。
「それでも卵の味まで違うとか」
「幾ら何でも」
「ないから」
「有り得ないわね」
「本当に異世界でないと」
そこまでいかねばというのだ。
「ないことだよ」
「そうね、けれどね」
「食べるなら」
「やっぱり連合のハンバーグがいいわ」
こちらがと言うのだった。
「私はね」
「ワインもだね」
「ええ、ワインの味も違うわよね」
「みたいだね、土壌が違って造る技術もね」
「それでよね」
「連合の方が美味しいらしいよ」
「連合軍の人達が言うにはよね」
ミーナもまたこの話をした。
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